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虹を食べたアイリス

作者: 日向 葵

彩女あやめさんの目は、一風変わった色をしている。


それは端的に、かいつまんで、一言で言い表すなら紫色をしている。だからって外国人ってわけでもなく、本名や黒い髪、黄色い肌から分かる通り彩女さんは紛れもなく黄色人種で、典型的な日本人だ。

紫色の虹彩はカラコン仕様、ではなく(ただの一度たりともカラコンをつける素振りを目撃したことはない)、どうやら本気で素らしい。さすがにその目の色合いには驚きを隠せない。

だから前に、それとなく珍しい瞳の色の由縁を尋ねたら、彩女さんは。


〝私、昔は天使だったの″


それきりだ。

でもそれじゃ答えとしてはあまりにも不十分だから、今一度問うてみる。その色彩の由来を。

回答者の彩女さんはといえば紫の目を暫く白黒させてからクエスチョンの元である両目を数回しばたたかせ、前回とはうってかわってすんなりと口を開いた。


前にも言ったと思うけどずっとずっと昔ね私は天使だったの神様と人間の間で伝言を届ける幸せな仕事を勤めていたわでも私の主なる神はある日を境に人間に不審を抱き交流を絶ってしまうの長い間両者の絆の象徴であった天使の私は嘆き悲しみのあまり一輪の花となるの紫色のねそれから暫くして枯れた私は慈悲深い神の思し召しで人間に転生して今に至るのこの目の色は花として生きていた頃の名残り分かった?


うん、さっぱり分からないや。

懸河のごとくとうとうと言葉を紡ぐ彩女さんの話は壮大過ぎて正直信じられない。どこぞの神話でも耳にしたような胡散臭さがある。

でも、そんな率直な感想微塵も表に出さない。ここで嘘だ、と返したら彩女さんはきっと傷つく。

その風変わりな風貌で、見えないところでいくども苦労してきただろうから。多分、淀みなく流れた彩女さんの前世の話は彼女の防衛策。自分が傷つく理由を正当化したものだ。


分かったよ、なんて平気の平左で嘘をつく。良心が痛まないわけではない。本音を明かすなら彩女さんを騙すような真似はしたくない。

葛藤なんて露知らず、彩女さんはそうと満足そうに笑った。

目を細め紫色を狭める彩女さんはちょっときれいで、確かに天使かもと思った。

い、色々詰め込みました……!

原点は「Iris」アヤメの洋名と虹彩という意味があります。それに虹の女神アイリスの神話を敷きました。

神話の内容は大体彩女さんの言った通りです。死んだ天使を可哀想に思った神様がアイリスに生まれ変わらせたと本で読んだ記憶があるのですが私の記憶力何ぞてんで役に立たないので……信用しない方が良いです。

タイトルはBIGMAMAというバンドの曲名から。ベートーベンの「運命」をベースにしたメロディーの独特な世界観の曲でした。

今回は修学旅行(パリ)の代休の間に書き上げたので時間に比較的余裕があったので見れたもんじゃないのかな……と……(願望

部員にも「フランス料理よりもおいしかった! 短いけどお腹いっぱい! ご馳走様!」と言われた非常に思い入れのある作品です。


良ければ感想・評価お願いします。

今後の文芸部活動の参考にさせていただきます。

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