詩 忘れさった記憶をこの手に
掲載日:2026/03/06
「思い出したくないから忘れているのかもしれない」
「罪人だったのなら忘れていた方がいいのかもしれない」
「それでも……」
さび付いたドアを無理やりこじ開ける
全ては記憶のかなただから
誰よりも知っているはずなのに
何も知らないのが嫌だった
暖かな子守歌が聞こえているのに
耳を澄ませば 淡く消えてしまう
記憶がその人の全てとは限らないけれど
過去から生まれるものは確かにあって
未来を生きていくために
必要な何かが欠けているのだとしたら
取り戻さずにはいられないから
誰かの救いが欲しいわけでもない
何か許してほしいわけでもない
ただ向き合って前に進みたいから
「自分の記憶を取り戻したい」
「忘れていたものを思い出したい」




