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ミニスカ・アルゴリズム ~マナカの情報技術試験と幼馴染ハルの脆弱性~  作者: 滝川 海老郎


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22/27

第10章1 試験の前の日プリコンパイル

 今日はまたキョウカ先輩がサーバールームに来ており、コーヒーを買いに行く。

 いつもコーヒーだが、彼女は決まってアイスブラックだ。

 俺と一緒でカフェイン依存症なのだろう。

 気持ちは痛いほどわかる。ただ当分補給もないブラックで頭がすっきりするのか、俺には疑問だ。


「んじゃ、コーヒー買ってきて」

「はいはい、行ってきます」


 先輩のニコニコ笑顔に見送られて、ハルと一緒に自動販売機の所へ行く。

 これも日課みたいなものだったので、最近頻度が減っていてちょっと寂しくなる。

 このまま先輩もぜんぜんこなくなってそのまま消滅してしまうかもしれない。


 ポチッとな、ガッチャン。


 甘いアイス缶コーヒーを購入する。

 毎回ルーレットが電子音のピピピピピという音ともに回るのだ。

 そして数秒後、7776とかの数字が出るのだが、今日は違った。


『7777』

「うおおお、当たった」

「マナちゃん、おめでとう」

「ああハル。ありがとう。うおおおい」


 超珍しい。当たりである。

 当たるって本当だったんだ。

 百円だから実は当たり機能はダミーだという噂もあるのだ。

 でも七不思議の通り、今日は当たりが出た。

 先輩がいうには、毎日買ってれば年に一回くらいは当たるそうで、確率は三百分の一くらいだろうか。

 休みも計算するとそうなるはずだ。

 俺は再びボタンを押して、先輩の分のアイスブラックを選択する。

 無料でコーヒーが飲めるなんてな。


 続いてハルが購入する。


 ポチッ、ガッチャン。


『7778』

「はい、残念」

「マナちゃん、なんかよろこんでない?」

「滅相もございません」

「そう、それならいいけど。じーー」

「いいじゃないか。当たりのよろこびを噛み締めても」

「別にいいよ。おめでとうだよ」


 ハルがミルクティーの缶を取り出して、両手でつかむ。

 さて、それじゃあ三階、実習室に戻りますかね。


「先輩、当たりましたよ」

「おお、それはおめでと~ぱふぱふ」

「先輩のコーヒー無料で買えたんで、お金」

「ああいいよ。当たったんでしょ。それはあげる」

「え、ありがとうございます」

「いいっていいって、ご利益あるといいね」

「はい」


 七不思議様様だ。

 ついでに先輩の特別な笑顔も拝めたので、気分もいい。

 今まで生活していて、自動販売機で当てたこととかなかったので、本当に当たるんだという思いが強い。

 生きててよかった。百円の安い男である。



 情報技術試験の前日。

 秋も深まってきた。あの一緒に工業高校を受けると言われた日から一年が経とうとしていた。

 そう思うと感慨深いものがある。


「マナカ、頑張ってこいよ」

「お前らもな、ナカチュウ」

「おおぅ。どうせ、動けばいいんですよ」

「カイはいつもそうだな。その意気だ」

「お互い頑張ろうな。もっとも俺たちは実質記念受験だけど」

「そういうなよ。本気だせよ。トウマ」

「ああ、エンジンかかってきた! バリバリバリバリ」

「その調子だ」


 誰か遅刻して全員遅刻したら笑えないという話になり、バラバラに行動することになった。

 少人数のほうがタクシーとかにも乗りやすい。

 ミウはカイに送っていってもらうという約束を取り付けていた。


「ミウは四月の山登りのときに受けるって言ったもんなあ」

「そりゃそうよ。友達だもん」

「そうか、なんかサンキュ」

「なんだよぉ、もう、うりうり」


 ミウにも思うところがあるのだろう。

 彼女たちにも、お世話になっている。

 ありがたい限りだ。


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