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信仰は氷雪に閉ざされて  作者: 葉川道流
プロローグ
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プロローグ

新人賞に投稿した原稿です。不安で仕方なくて誰かに読んでほしくて投稿しました。よろしくお願いします。

山の奥深き里に旅の僧、立ち寄りしことあり。

或る村に宿を求めて、一人の男の家に留まりぬ。

かの宿りの間には、一体の人形ありき。その人形、四方を注連縄にて囲まれ、只ならぬ気配、辺りに漂へり。

その夜、風寒くして、僧、火を消し、衣をかづきて床に臥したり。

暁に及びて目覚めたる時、僧、息を呑みぬ。昨夜見たりし人形、両の眼、開かれたりける。

僧、これを怪しみ、すなはち読経を始めたり。ひたすらに経を誦するうち、人形の瞼、やをら閉ぢ、また静かに眠るがごとくなりにけり。

この事を家の主に問ひたれば、それはヒノミタマの御座なりと答ふ。

僧、なおも尋ぬれども、主いはく、ヒノミタマは、ヒノミタマにて候ふ。その他、知ることなしと。

ただそれのみ、語り伝へられけり。



 山里にて人形の眼ひらく事 奇譚拾遺抄 巻十七話


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