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ヘルエスタ王国物語  作者: 十月 十陽
新生編(プロット)
74/75

ヘルエスタ王国物語(74)




「長い作戦会議だったね。それで? 次はどんな可能性を見せてくれるのかな?」

 ニュイは言って、目の前に並ぶ、二人と一体を見つめた。

 とくに目を引いたのがアンジュ・カトリーナが『星』の錬金術を使って産み落としたと思われる炎の魔人。魔人には意思が、魂が宿っていた。ホムンクルスの研究に力を入れてきたニュイだからこそ、魂を宿した存在がどれだけの奇跡なのか、それを理解するまでそう時間は掛からなかった。

 錬金術の原則として、分解と再構築というものがある。

 分解する石ころと、再構築する物体は必ず、同じ質量を持っていなければならない。応用として、分解した石ころの質量以下の物体は作れる。逆に、分解した石ころの質量を越えるものは作れない。

 つまり、何が言いたいのかと言うと───ありえないのだ。

 魂を錬成する方法は、この世界にはモアの王冠ぐらいしか存在しない。それ以外の方法で魂を錬成するなんて不可能だ。

 アンジュがもし、モアの王冠をリゼから譲り受けているのなら、目の前の魔人の存在は理解できる。

 だが、違う。

 アンジュはリヴァネルの創った『星』の錬金術で、魔人の魂を創造してみせたのだ。

 ここから導き出される答えは、

「本当に素晴らしい」

 戦いの最中、ニュイは美しいと思った。

 爪を立て、こちらに詰め寄ってくる戍亥とこなど、クソほどの興味も湧かない。

 アンジュだ。

 アンジュ・カトリーナだ。

 そして魔人だ。

 彼らは奇跡と共に誕生し、奇跡を代表して生きている。

「いいねぇー、最っっっ高だよ! お前ら!!!!」

 ニュイは高らかに笑い、追尾する二つのカボチャ頭も同時に笑う。戍亥に向かって魔法を放った。しかし───。

「いない……」

 奇妙な感覚がニュイを襲った。

 戍亥を追いかけていたカボチャ頭も、戍亥の位置を見失う。そうやって姿を消して、次に彼女が現れるのは決まって、ニュイとカボチャ頭の目が届かない、絶対的な死角。ニュイの背後だった。

 ニュイは転移し、戍亥の攻撃を避ける。

 そして転移した先に、魔人はいた。

「───ッ!?」

 カボチャ頭がニュイと魔人の間に割って入る。

 魔人は容赦なく炎の拳を振り下ろし、『ルール』によって守られているはずのカボチャ頭を、木っ端微塵に破壊した。

「あは、あははは、あっはははははは!!!!!!」

 奇跡だ。

 本当に本当の奇跡だ。

「戍亥!」

 アンジュが叫ぶ。その視線の先に、戍亥はいた。

「四秒か……」

「正解」

 戍亥の呟きを聞いて、ニュイが答える。

 四秒。

 それが次に同じ魔法を使えるまでの休み時間だ。しかし、それを知られたところでニュイが困るような事にはならない。

 気づかれたのであれば『ルール』を変えてしまえばいいだけだ。

 ニュイは四つのカボチャ頭を使い、炎の魔人に攻撃を集中させた。この一手で、ニュイは頭の中に浮かんでいたもうひとつの謎を解こうと考えていた。

「どうなるかな……」

 カボチャ頭は炎の魔人に追いかけてはいるが、魔人を壊すつもりで攻撃してはいない。

 あくまでも、ニュイの目的は観察だった。戍亥が魔法から逃れたこと、そしていつの間にかニュイの背後に転移していること。

 何がそれを可能にしているのか。

 疑問の答えが出るのは早かった。

 アンジュが手を合わせるのが見えた。すると、魔人の進む方向にひとつの輪が形成され、魔人はその渦の中に飛び込んで、消えた。

 ニュイの背後に魔人が現れる。

 今度は余裕を持って、ニュイは転移した。

「なるほどね……」

 転移した先に今度はケルベロスがいた。

 戍亥が爪を振り下ろす。

 瞬間だった───ニュイは魔法薬を取り出し、こちらをミンチにしようとする戍亥に向かって瓶の中の液体を撒き散らす。瓶に入っていた紫色の液体は、空気に触れた途端、緑色の煙へと姿を変えた。

 煙が戍亥の体を包み込む。

 戍亥は攻撃を止めて、大きく後方に飛び退く。逃げた先にはアンジュが用意したゲートが置いてあった。

 ニュイがアンジュの方を見れば、魔人と、その横に戍亥が現れる。

 そして、

「おげぇ……」

 と苦しそうに、戍亥はゲロを吐いた。

 その顔は涎と涙で、ぐちゃぐちゃになっている。

 アンジュが戍亥の背中に触れようとしたところで、

「い、今は……ハァ、ハァ……さ、触らんといて……」

「でも、もし毒だったら───」

「毒じゃないよ、アンちゃん」ニュイが言った。「私が戍亥さんに浴びせた煙はね、毒でもなんでもなく、ただのニオイなんだよ」

 ニオイ? とアンジュは訝しんだ。

「アンちゃんはさ、嫌いなニオイってある? 腐敗臭とか、刺激臭とか。そういうの」

「それが今の戍亥とどう関係してくんの……」

「人間でいうところの嗅覚っていうのは、目に見えない危険を察知したり、食べ物の味を楽しんだりする上で重要な器官っていわれてる。じゃあ、その嗅覚が人間よりも発達しているケルベロスや獣人たちは、私たちより何倍も嫌なニオイに敏感だと思わない?」

「……何が言いたいのか、さっぱりなんだけど」

「つまり、戍亥さんは私たちには感じ取れないニオイを感じ取れるってこと。そしてさっきも言ったけど、あの煙は毒じゃない。人間にとっては無味無臭に感じるけれど、戍亥さんみたいなケルベロスや、魔物に近いレヴィちゃんなら、吸い込んじゃうだけで死んじゃうような、ヤバいニオイだった……ここまで聞けば、もう分かるよね?」

 アンジュはニュイの説明を理解したのだろう。

 今の戍亥に対して、解毒の類は意味をなさない。

 むしろ彼女を苦しめるだけだ。

「実を言うと、今の液体はレヴィちゃんに当てようと思って作ったヤツなの。北門に彼女が現れなくて持て余してたんだけど、まあ、結果オーライって感じかな」

 ニュイはこちらを睨んでくる、這いつくばったままの戍亥を見た。

「本当なら気絶してもおかしくないんだけどね……。ギリギリで息を止めたのかな? それでもしばらくは動けないと思うけど」

 ニュイはアンジュに視線を移し、続ける。

「さてさて、アンちゃん。初見で私の魔法を見破ったのは流石だったね。でも、もっと考えるべきだった。私はリゼ様を殺すって言ってるんだよ? なら、リゼ様の周りを守っている人たちを調べない訳ないでしょ」

 答え合わせをするように話すニュイに、アンジュは考えさせられた。

 煙はあくまでもレヴィ・エリファの対策のひとつとして用意されたものだ。なら、戍亥の対策は別に用意してあるという事になる。

 アンジュは倒れている戍亥には何も告げず、ニュイの前に踊り出た。

「やろうか」

 ニュイは、にィ、と口角を上げて言う。

「カッコいいね、アンちゃん」



     △△△



「リゼ様」

 アンジュと戍亥が、魔女との戦いを始めて、すぐの事だった。

 名前を呼ばれたリゼは声のした方を振り返る。そこには独りでぼっちで、石神のぞみが立っていた。

 彼女を敵と認識したゴーレムがリゼを守るために動く。が、リゼは手を上げ、ゴーレムに攻撃しないようお願いした。

「久しぶりだね」

「そう、ですね……」

 ぎこちない会話だった。

 沈黙。

 互いに目を合わせられない。

「元気にしてましたか?」石神が言った。

「……うん。石神は……冒険者の仕事はどう? 上手くいってる?」

「まあまあです」

「そうなんだ」

 二度目の沈黙。

 それから二人は「あは、あはは……」と苦笑いを重ねた。

 しばらくして、

「石神もさ、私を殺したいって思う?」

 リゼが質問した。

 石神は小さく頷いて「はい」とだけ答える。

「……それはさ、モアの王冠? っていうのが欲しいからなんだよね? 別に、石神が私のこと嫌いになったってわけじゃないんでしょ?」

「そんな! アタシは全然リゼ様のこと嫌いじゃないですよ! でも……」

 そこまで言って石神は躊躇うように顔を伏せた。

 リゼが言う。

「私を……殺さなくちゃいけないんだよね」

 区切られた言葉の続きを、頭の中で繋げるのは簡単だった。リゼにとってそれはもう、ただの日常になってしまっていた。

「石神となら、友達に……なれると思ってた」

「ごめんなさい」

 石神から送られてきた謝罪の言葉は、リゼの胸に深く突き刺さった。

 リゼは心のどこかで違う言葉が返ってくることを期待していた。

 謝罪の言葉ではなく、もっと別の言葉だったいいなと思ってしまった。

 だが、結果は。

 さらに心が苦しくなって、とても痛くなるだけだった。

「教えてほしいんだけどさ。モアの王冠って一体何なの? みんな私が持ってるって言ってるけど、本当に私が持ってるの?」

「自覚が……ないんですね……分かりました。教えます」

 そう、石神は言って、

「モアの王冠っていうのは、二千年前からずっとある奇跡の王冠のことです」

「奇跡……」

「その王冠を持っていれば自分が望んだ奇跡を簡単に起こせるようになる。それこそ、世界を丸ごと創り変えてしまうような奇跡だって可能になります」

「そんなの、私持ってない……」

「じゃあどうして、リゼ様は今日まで生きてこられたんですか?」

「それは───」

 石神の問いは、ただリゼの声を塞いだだけで終わらず、自分が生きてきた、今日までの経験を思い出させた。

 リゼはもしかしたら、と───名取が私を庇って死んだのは、モアの王冠が私に死んでほしくなくて名取を使って私を守った? ……違う。それは単なるこじつけだ。絶対に間違っている───本当に?

 石神が言う。

「リゼ様はずっとソフィ……白虎の攻撃を避け続けることが出来ましたね。それはどうしてだと思いますか?」

「偶然じゃない、そう言いたいの?」

 石神は首を縦に振った。続ける。

「今日までリゼ様がひとりで生きてこられたのはモアの王冠がそうさせたからです。もしもリゼ様がモアの王冠を持っていなかったら、とっくの昔に貴方は死んでいる」

「……───」

「心当たりがたくさんあるんじゃないですか?」

 ある、とリゼは心の中で呟いた。

 本当に命の危機がリゼを襲ったとき、必ず誰かが、いつも都合よく助けに来てくれた。

 しかし、

「嘘だ。だって現実は、そんなに都合のいいものじゃないはずでしょ……」

 認めたくない。

 もしも認めてしまったら、それは自分が名取を、友達を殺して生き延びてきたという事になってしまう。

 受け入れられない。

 リゼは断じて、

「……石神はさ、それが全部……モアの王冠が起こした奇跡だって言いたいの?」

「はい」

でも、と石神は言った。

「リゼ様は悪くないですよ。悪いのは残酷すぎるこの世界なんですから」

「……───」

「だから、リゼ様は何も悪くないんです」

 冬のような切れ味のある風が、二人の間を抜けた。その風は周囲の音を盗んで、リゼに心臓の音だけを聞かせる。

「私を殺して、石神がモアの王冠を手に入れたら、何をするの?」

「奇跡を起こします」

「どんな?」

 石神は顔を上げた。

 真っ直ぐこちらを見つめてくる。

 その顔はどこか悔しそうにも、苦しんでいるようにも見えた。

「世界を丸ごと創り変えて、争いのない世界にするんです。もう、血の臭いに纏わりつかれるのはごめんですから」

「私にも……出来るかな……」

「リゼ様……」

「分かってる。私、使い方知らないもん。……あはは」

 頭の後ろに手を回し、自嘲気味にリゼは笑った。

 例えリゼがモアの王冠を使ったとしても、正しく使えなければ、それは腐れて価値の無くなった宝物と同じだ。

 何の意味も、手に入らない。

「リゼ様は……どうしたら世界が良くなると思いますか?」

 石神からの質問はとても答えにくいものだった。

 平和になればなるだけ、今とは違った争いが起こる。とても精神的で、肉体の死を自発させるような暴力が───しかし、いつか王様になるという運命を背負っているリゼにとって、逃げてはいけない問題だった。

「まだ深くは考えたことはないけど……私は、私に出来ることをして、この国をいい方向に進めていきたいと思ってる」

「そのためにモアの王冠を、奇跡を起こしますか?」

「多分……使わない」

「どうして……」

「だって、それは自分たちの力じゃないから。私は───」

「それじゃあ、もう手遅れだっていうのが、まだ分からないんですか!?」

 石神が大声を上げた。

 歯を食いしばって、石神は続ける。

「どうやっても世界は変わらない。ずっと前から同じことが繰り返されている。歴史はずっと戦争をして、復讐して、また戦争をするんです! 終わりなんてどこにもない。リゼ様はまだそれが分かっていないんですか!?」

 リゼは無言だった。

 どこまでも無言だった。

 そうして石神の口から吐き出される言葉を一語一句受け入れていた。今のリゼに出来ることは、それぐらいしかなかった。

「あのレイナ様でさえ、モアの王冠に頼った。酒場にいたチャイカさんも、結局はモアの王冠に頼らざるを得なかった。災厄の魔女も、モアの王冠を使って世界を上書きしようとした。……それなのに」

 ハァ、ハァ、と石神は息をついて、リゼを睨む。

「それなのに……リゼ様みたいな凡庸なお姫様がモアの王冠に頼らず、世界を良くするなんて……そんな事、出来るわけがないですよ!」

「……───」

「だからお願いします、リゼ様。アタシたちに貴方を殺させてください。必ず……世界を良くするって。約束しますから」

 石神の小さな体が、リゼへの殺意で震えていた。

 彼女はどこまでも現実を見てきたのだろう。だからこうして、奇跡を起こせる立場にいるリゼに怒りを向けている。

 どうしようもないほどの怒りを感じ取ったリゼは、石神から顔を背け、誰にも聞かれないよう静かに、ひと粒の涙を世界に落とした。

「ひとつ……聞いても、いいかな?」

 震える声で、リゼは尋ねる。

「なんですか……」

「その、酒場にいたチャイカって人は……どんな人だったの?」

「チャイカさんはエルフです。メイド服を着た。もう居なくなっちゃいましけど……」

「え?」

 リゼは驚いて顔を上げる。

 メイド服を着たエルフ───それだけで誰かを思い出した。ボロボロの血塗れで、強くあれ、と言ってくれたあの人を。

「名前……チャイカっていうんだ。そっか……」

 目を閉じ、リゼは覚悟を決めて、石神を睨み返す。

「残念だけどモアの王冠は譲れない。これは私が託されたものだから」

「これは無駄な戦いなんです」

 石神は言った。

「無駄な戦いをこのまま続ける必要がありますか? リゼ様が抵抗すればするだけ、多くの国民が犠牲になるんですよ? それでもいいって言うんですか!? アタシはその問題を解決するために必要なものがモアの王冠だって教えてるのに……リゼ様も、昔のクズ共と同じになるんですか!?」

 石神から向けられる視線は、強い敵意をリゼに伝えた。

 それは今日まで、戦ってきた者の目だった。

 石神は自分の感情を殺してでも、世界を救うと覚悟している。

 あとに続く苦しみも、絶望も、全部理解した上で、イディオスとたった二人だけで茨の道を進もうとしているのだ。

 リゼは自分に出来る事を探しながら、

「そうだね。石神は確かに答えを教えてくれた。でもそれは、今を生きてる人を見捨てることになっちゃう。私は誰も見捨てたくない」

 それに、と。

「石神だってそんな責任を背負えるほど、強い女の子じゃないでしょ?」

「リゼ様……アタシは───」

 そう言いかけた石神が、ふと、別の所を見ているのにリゼは気づいた───リゼも同じ方向を見る。石神の視線の先にあったのは時計塔だった。

 時間はちょうど、午前三時を差したところ。

 そして。

 ヘルエスタ王国の上空に、巨大な扉が出現した。

「間に合わなかった……」

 リゼが驚愕に息を飲んでいると石神が言った。

「間に合わなかったって、何が間に合わなかったの!?」

 リゼの言葉が届いていないのか、石神は質問には答えず、ただ声を震わせて、

「ウル・モアが復活する」

「ウル・モア?」

 石神がリゼの疑問に答えるよりも先に、空に浮かぶ扉の前に巨大な翼が現れる。翼はゆっくりとその形を変え、やがて、扉を開けるための鍵へと変身した。

 鍵は、扉の鍵穴に挿し込まれる。

 ガチャリ、と。

 ヘルエスタ王国中に聞こえるような音を出して、鍵は回り、扉は開かれた。

 扉を破壊せんばかりの勢いでこじ開けたのは龍の腕。そして次にリゼが見たのは、虹色に輝く龍の顔だった。その顔はヘルエスタ王国を見下ろし、ゆっくりと口を開き、咆哮しようとしたところで───パン! と手を叩く音が響いた。

「嘘……」石神が呟く。

 音と共に、ウル・モアはヘルエスタ王国の上空から消えた。

 ウル・モアが出現した時間は一秒にも満たない。

 まだ誰も犠牲はなっていないだろう。あっけない幕引きだが、これでウル・モアが二度と地上に落ちてこなければ、と石神は思う。

 そして。

 リゼと石神が安心するのと、カボチャ頭がリゼの前に飛び出して来たのは、ほぼ同時だった。カボチャ頭がリゼの周りでケタケタと笑う。

 ゴーレムは戍亥の言いつけ通りに全身でリゼを守ろうと、防御を固めた。

 二つのカボチャ頭はゴーレムの周りで自爆する。

 石神は爆風に吹き飛ばされ、リゼを守っていたゴーレムは跡形もなく破壊された。

 後に残ったのはリゼと、

「ウル・モアは尊様に連れて行かれちゃったかぁ……まあ、こっちが手に入ればなんの問題もないんですけど」

 ニュイ・ソシエールだけ。

 リゼは空中に浮かぶニュイを見つめて、

「アンジュと……とこちゃんは……」

「心配しないで。二人はちゃんと生かしてあるよ。リゼ様への人質くらいに思ってくれればいいかな」

「……───」

「動かないでね」

 ニュイがリゼに向かって手を伸ばしてくる。

 しかし、その手がリゼに触れることはなかった。

 次の瞬間。

 ニュイは背後から、心臓を刀で貫かれた。




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