大阪系美少女と話題転換へたくそ男
とりあえずアップ頑張った。
読まれてないけど……
前回、普通に提案を却下された夜之丸は、先生と雑談して生徒指導室の窓から飛び降りた!
以上!
「なあ、結局さっき呼び出されたんは、なんやったん?」
「それは、三階の生徒指導室から、飛び降りている最中に聞かなあかんことか?」
「そんなこと言うても、今さらなことやし。それにうちはあんたのこと追いかけようとしたらこうなっただけやし」
「人のせいにすんな。ついてきたのはお前の判断やろが」
と言いながら、俺は愛花の方を見た。
俺の目に入ったのは新品の上履きの裏だった。どうやら俺は顔面にドロップキックをくらったらしい。
「ぐえっ!」
さらに俺は後頭部
から地面にたたきつけられた、衝撃で追い打ちがかかる。それと同時に俺の顔面にある、愛花の足からさらに体重分の重さが加わり、とどめの一撃をくらった。
「ひでぶっ!」
「あ、ごめん、つい……」
俺の上で合掌して謝り、顔の上から降りた。
「あっぶな、こけるとこやったわ!」
俺はゆっくりと立ち上がり、軽くついた砂を掃った。
「いやいや、こけたどころの話じゃないやんけ!」
「それじゃ、帰ろか」
「それはええけど、スルーすんなや。心配したってんねんから」
俺と愛花は天満橋の方へ歩き始めた。
数十メートル歩いたところで立ち止まり、俺は思いついたことを実行した。
「あっ! そうや、はいこれ」
俺はかばんの中の財布から二千円札を抜き取り、愛花に差し出した。
「え、なにこれ? 二千円札か、レアなもん持ってるな。で、なに?」
「俺が隣に座ったせいで、余計な時間を取らせたお詫びに、昼飯代を奢ろうかと」
「奢るときって普通、一緒に行くもんちゃうか? というか誘えよ」
俺はそこら辺のチャラ男のような言い方でこう言った。
「ヘェイッ! そこのてめえ、お茶しな~い?」
「なんや喧嘩売っとんのか?」
「その喧嘩買ってやるよ」
「お支払いはどうなさいますんですか?」
「体で!」
「お支払いは現金のみとなっておりま~す」
「じゃあ、二千円札でお願いしま~す」
「もう、しわ・毛ありません。このレジは二千円札に対応していません」
「自販機かよ。そうそう、自販機って言うと蹴りたくなるよな。特にお札呑むやつとか」
「そんなん中学生までにしとけよ。そうでもせんと、お父ちゃん呼ぶで!」
「え、なんで? ファザコン?」
「うちのお父ちゃん警察官やから、お前のことだって務所にぶち込めんねんで! あとファザコンではない」
「すげえなお前のお父ちゃん。警察やのに裁判やらなんやらを全部すっ飛ばして、さらには法律も無視して俺を務所にぶち込めんねんな! 縦社会やべえな!」
「ちゃうわあほ!」
「なにがちゃうねん! あ~、俺をぶち込むのは少年院の方って言いたいんやな」
俺は腕を組み、うなずきながら納得した。
「そこもやけど、うちのお父ちゃんそこまで上の方の役職ちゃうらしいねん」
「まあ、いくら上の方の役職であっても法律無視して俺を務所にぶち込むことはやったらあかんけどな」
「まあこれ以上この話題を続けてもおもろないから、奢ってくれる店に行かへん?」
「え、なんで一緒に行く流れになってんの?」
そう言いつつ、天満橋方面に歩き始めた。
俺は驚いた表情を愛花に向けて言った。
「さっきも言ったやろ? 奢りの時は奢る人も一緒に行くのが普通って」
「俺は普通に、二千円あげるから好きな物食べてきなさいって感じで言ったんやけど」
「あんたは、うちのおかんか。あと、あんたの二千円札、シリアルナンバーが「UM222222MY」でぞろ目やけど、こんなもんもろうてええんか?」
「それが価値あるなら、オークションにでも出して何倍にでも増やせばええやろ? あと俺、用事できたから帰るわ」
俺は府道30号線を北に歩き始めた。
「あんた、お京〇んやないん?」
「俺、歩きやで」
「家近いんか? 最寄りは?」
「枚方公園やで!」
「わー、うちと一緒やん! じゃないんよ、ここから枚方まで軽く十キロはあったはずやで! 片道二時間半以上やで! あれ、そう考えるとそこまででもないな」
「どっちやねん」
「歩くの大変ちゃうか? 一緒に帰らんか?」
「なんでお前は帰ろうとしてんだよ! せっかく人が奢るって言っとんのにさ」
「お持ち帰りでもいいやろ?」
「誰を?」
「なんで、人間限定やねん! 飲み会帰りじゃないんやぞ!」
「え、飲めないの⁉」
「うちをなんやと思ってんねん」
「従妹の制服を借りて、制服コスで入学式に出た。うちの学校の保健体育担当の八津沢雫先生やと思ってるで!」
「なんでうちと雫ねえをうまいこと置換してんねん!」
「痴漢なんて働いてねえよ! 視姦いや、窃視はしたかもしれんけど……」
俺は窃視という言葉から、愛花のスカートの中身を思い出して、つい顔を再び赤らめてしまった。
「なんで恥ずかしそうに顔赤くして黙ってんねん」
「いや、なんでもない……ていうことで会話はここまでにして、解散しよか」
俺は、早く帰って、自分の部活を作るための準備をしたいがためにそう言った。
「そうやな、会話がすべてなわけでもないしな」
「この言葉……深い」
「どしたん? 川に落としてほしいんか?」
「押すなよ押すなよ、絶対押すなよ!」
それを聞くと、愛花は俺の手首のブレスレットごとつかんで、大川の方に引っ張ろうとした。
「ちょいちょいちょい、ヤメ、ヤメロ! まじやめろ、落ちたくない! 落ちたら帰るの遅くなるやろが! ヤメロー!」
愛花が俺の手首から手を離した。
危なかった……いろいろと。
「あんたがあからさまなフリなんかするから悪いんやろ!」
「いやいや、あれ落としていいのは芸人だけだから!」
「関西人なんかみんな芸人みたいなもんやろ!」
「どんな偏見やねん! ほんじゃまたな」
俺はまた府道30号線を北に歩き始めた。
「話の転換、下手くそか!」
愛花が大声で叫んだ。
これで、さっき組み上げた予定どうりに、行動ができる。愛花の相手は割と疲れる。というか、会話の切りどころがわからなくなるな。
まぁ、いいかとりあえず帰って、準備せなな。
といった感じで俺は帰路についた。