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79〜89
79
「史上最恐」と書かれた帯に期待を膨らませ家に帰ってから読んでみると、1ページ目から最終ページである256ページ目までびっしり私の名前が書かれていた。
80
遠い未来、神に祈りを捧げる人々は死に絶え、技術を磨いてきた人間だけが生き残っていた。
81
台風の日に持っていた傘を手離すと、風と真逆の方向に吹き飛んでいった。
82
夜の公園から肉の焼ける匂いがした。
83
何度捨てても朝になると私の枕元に戻ってくる母の骨壷。
84
神が人を創ったのではない。人が神を創ったのだ。(めっちゃ既出そう)
85
今朝生み落としたねじれたうんこは、私がひとつ笑う度、さらにねじれてゆくのであった。
86
道行く人全てが私のスカートの中を覗き込んでくる。
87
コーヒーを飲もうとカップを取り出すと、粘り気のある透明な液体が取っ手にべったりとついていた。
88
電車で隣に座っている女性がずっとスマートフォンで同じ画面を見ているようなので覗き込んでみると、そこには満面の笑みの私の顔があった。
89
家に帰ると、先日殺して海に捨てた男の生首が玄関前に置かれていた。