229〜239
229
どこへ行っても、誰に会っても、みんな俺に向かって手を合わせてくるようになったのは、いつからだろうか。
230
あー寒、さっむ!
鳥肌立ちすぎてもはや脱げた。脱げて飛んでったわ。
いいよいいよ、これは自己投資だ。
ふかふかの羽毛を生やして戻って来るんだぞ〜
いや、良くないよね。脱げたら残るのは皮を剥がれた人間だぞ。
231
ではそちらの方、自己紹介お願いします。
「エビイモタピオスです!」
逆再生みたいな名前ですね。
232
長〜いエビのお寿司。
233
ピースの代わりに指三本。
234
「そう、めちゃくちゃチンコ臭かったんですよ。チンコと喋ってんのかなってくらい臭ってました」
「お風呂に入ってないとか、チンコを触ったとかじゃそうはならないと思うんですよ。原因が分かんないっていうのが1番怖いんですよねぇ」
ナビリョス14世さんはそう締めくくった。
235
「えーと、君とのえーっと、こんにゃくを、バキする!」
「わたしは一向にかまわんッッ」
「間違えた! 君との婚約を破棄する!」
「な、なんだってぇーっ!」
台本を確認する2人。
「それではおじいさん、おばあさん、僕は鬼退治に行ってきます」
「王子、違うよ!」
段取りが悪いのではありません、彼らがバカなのです。
236
家の中から車の鍵を開ける。
開くんだよな、この遠さでも。
押していい?
だめだよ、財布とか入ってるから。
すぐ閉めればいいやん?
いや、何か開くだけ開いて閉まらん気がする。確認しない時に限ってちょうど壊れる気もするし。
(´・д・`)ワカルワァ
237
「猫にあげる刺身、ちびにしたよ」
1口大にする、とか切った、とかそのへんの言葉をど忘れしてたらしい。
238
お前マジでミスしすぎ! もはやなんかの病気だろ!
1ヶ月後
すげーなお前、全然ミスしなくなったじゃん!
病気か?
239
最初はふとした事だった。
なんか名前を呼ばれた気がする。ただそんな感じだった。
でも最近は違う。街を歩いていると明らかに私の名前が聞こえてくる。どこかしこから聞こえてくるのだ。
かといって私に声をかけてきているわけではない。そこが気持ち悪いところだ。
家のテレビもそうだ。私の名前が度々聞こえる。
そのうち、いつも聴いている音楽の歌詞にも私の名前が混じるようになった。