まるぴ 帰宅
俺はお掃除ロボット バルーンに乗って、「幻のカリカリ」という物を探しに縄張りを出てきたが、情報を持っているだろう「野良」や「モモ」に会ったが、「いせかい」という言葉が出てきたくらいで、それ以外の情報は掴めなかった。
「いせかい」というのは、人間が最近になって言い始めた言葉だ。
我々猫界では、それが何なのか分からない。
お掃除ロボット バルーンの活動時間にも制限がある。
「じゅうでん」という事をしないと、動かなくなるらしい、お掃除ロボット バルーンの方も、小さな光が消えかかっている。
人間は、「あかいらんぷがついたら、じゅうでんしなきゃ」と言っていた事があるが、猫は「あかい」とやらが認識できない。
とにかく「あかい」以外ならなんとなく分かるのだが…。
そんなこともあり、さすがに腹も減りすぎた為、俺は縄張りに戻る事にした。
縄張りに帰ってくると、匂いなどを確認した。
特に問題は無かったらしい。
俺は、一旦お掃除ロボット バルーンから降りて、「じゅうでんばしょ」とやらに戻ってもらった。
相棒にも、餌や安全に寝れる場所ってのが必要だからな。
餌皿の所まで歩いていくと、しっかりと餌は入っていた。
匂いを嗅ぐと、いつも食べている餌だと認識した。
しばらくして「まるみ」の姿を探した、まるみはいつもの場所に居なかった。
縄張りから勝手に居なくなるのは、人間は不安じゃないんだろうか…俺には理解できない。
しかし、あまり縄張りから居なくならないまるみにしては、珍しいと思ったが、俺は気にせず餌を食べた。
俺は、やっと空腹を満たす事が出来た。
水も飲み喉を潤し、俺は眠くなってしまった。
いつも、まるみの近くや、まるみの上に乗り眠ることがあるが、今はまるみがいない為、しかたがなくまるみの布団で眠ることにした。
「しんしつ」という場所に入り、まるみの布団に寝転ぶ。
ここは俺とまるみの匂いが付いていて、安全に寝れる場所だ。
うとうとしていると、いつの間にか辺りが真っ暗になった。