コント『もしも殺人犯と警察官がぶつかった拍子に入れ替わったら……』
ボケ「へへ……ココの社長を殺して金をしこたま頂戴してやったぜ!」
―――ジャラジャラ
ボケ「それじゃ、トンズラしますか……」
―――ガチャ!
ツッコミ「そこで何をしている!?」
ボケ「しまった!警察だ!!」
ツッコミ「はっ! 貴様その手に持っている血の着いたナイフと金は何だ!?」
ボケ「どけっ!!」
ツッコミ「待てっ」
揉み合う二人。
―――ゴロゴロ!
転がりぶつかる二人。
ボケ「んっ!?」
ツッコミ「はっ!?」
起き上がり自分の体を確かめる二人。
ボケ「俺が目の前に居るぞ!?」
ツッコミ「本官が目の前に!?」
二人「もしかして……入れ替わった!?」
ボケ「へへ、好都合だ! お前を逮捕してその金はいただきだ!!」
ツッコミ「な、何だと!? 貴様~!!」
手錠を取り出すボケ。
ボケ「逮捕だー!!」
ツッコミ「待てっ!!」
―――ピタッ
手錠を振りかざし止まるボケ。
ボケ「辞世の句とやらか? 仕方ない……聞いてやろう」
ツッコミ「お前……これから本官として生活する気か?」
ボケ「当たり前だ。貴様の分もたっぷり楽しんでやるぞ」
ツッコミ「本官には妻がいる」
ボケ「へへ!そいつは良いぜ! 俺は生まれてこの方彼女すら出来たことが無いからな!!」
ツッコミ「妻は鬼嫁だぞ?」
ボケ「……?」
ツッコミ「本官の小遣いは……月1000円だ」
ボケ「はぁ!?」
ツッコミ「しかも妻は料理が死ぬほど下手な上にカレーしか作れない。毎日マズいカレーだぞ?」
ボケ「はぁぁ!?」
ツッコミ「更に妻はデブでブスだ」
ボケ「お前何で結婚した!?」
ツッコミ「極めつけは口が死ぬほど臭い」
ボケ「お前……苦労してんな」
ツッコミ「それでも俺として生きるか?」
ボケ「逮捕されるよりはマシさ。さぁ!観念しろ!!」
―――ガチャン!
手錠をかけられるツッコミ。
ボケ「ほら! キリキリ歩かんかい!! それと金は俺が貰っておくぜ!!」
ツッコミ「……くそぉ!本官もこれまでか…………」
―――バタン
パトカーのドアが閉まる。
―――ファンファン……
パトカーのサイレンの音が次第に小さくなりツッコミを乗せたパトカーが走り去る。
―――プルルルル!
―――ガチャ
携帯が鳴り電話に出るボケ。
ボケ「……もしもし。あ、警部ですか!お疲れさまです」
ボケ「あ、犯人ならたった今逮捕しました、はい」
ボケ「それでは私はこれで…………あ!時に警部―――」
ボケ「警部って……結婚してます? あぁ、それは良かった!」
ボケ「奥さんって……鬼嫁ですか? あぁ、それは良かった!」
ボケ「奥さんって……小遣いくれます? あぁ、それは良かった!」
ボケ「奥さんって……料理出来ます? あぁ、それは良かった!」
ボケ「奥さんって……デブでブスですか? あぁ、それは良かった!」
ボケ「奥さんって……口臭いですか? あぁ、少しだけですか」
ボケ「ところで警部……今どこに居ます? えっ、近くに居る!? 今すぐ行きますので俺と揉み合ってぶつかりましょう!!」
―――タッタッタッタッ!
ボケは走り去り消える。