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青葉-あおば-  作者: 山豊橋伝
序章
5/14

失敗

 「約束」をしてから一週間経って土曜日になった。私たちは、名古屋駅にある大きなマネキンで9時に集合することにしていた。私はいつも通り10分前に待ち合わせ場所へ到着した。しかし、花乃は私よりも早くから待っていたようだ。

「ごめん、待たせちゃって。」

「いいのよ。待ち合わせ時間よりも早いし。」

「では、いきましょう!」

花乃は私を先導するかのように言った。

「そういや釣り具ないじゃん?」

「釣り具…?今日は釣りなんかするつもりないよ。」

「どうして?」

素直に疑問に思ったから聞いた。

「そんな旅行で釣りする人いるの。聞いたことないわ。」

「釣りをすると思って、釣り具を準備したのだけど。」

「あんたバカじゃないの?釣り具ぐらい貸せるし、だいいちあんたと釣りすると言ってないわ。」

「そういうの企画したんだけど…」

「今日は行かない!帰る。」


 ここでいつも目を覚ます。そこそこの頻度でこの夢を何度も見る。そんなに印象強い悪い思い出だったのかはわからないけど。

 東北自動車道を走っており、宮城県へもうすでに入っていた。空が明るくなっていて、夜が明けようとしていた。思えば長く寝ていたようだ。

 その後、バスは高速道路を降り、仙台駅バスターミナルに到着した。トランクに預けた鞄を受け取ったのち、駅へ向かおうとしたら、

「やっちゃん、やっちゃんだよね!」

とどこからかあの懐かしい声が聞こえた。

「やっちゃん。私、花乃だよ。」

ようやく思い出した。20年ぶりに会ったときとあまり変わらない容姿だけど磨きがかかっており、美しく感じた。

「よかったらお茶しない?」

断る理由もなかったから一緒に喫茶店へ行った。

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