タイトル一文字。 同音異字から連想する物語、あいうえお順に書いてみた。
「 わ」 ‐輪・把・和‐
わ行
指輪というアイテムは便利で安易すぎる。
左手の薬指にしていれば、既婚者だと思わせる。
外したら旦那とうまくいっていないという意味にされたドラマを見て
二児の母である友達は吹き出した。
「新婚でも妊娠中の人は指輪をしないよ。もしもの時のために手術対応できるよう
貴金属は身につけないのが鉄則。むくみやすいから抜けなくなりやすいし。
産後は、乳児のウンコの世話した手でミルクあげるんだから手洗って
ばっかりだし 赤ちゃんに痛くならないように、指輪なんかしてられないよ」
マジメにドラマに突っこむ。
指輪をしなくなる、できなくなることは、
オシャレを諦めるとかそういう次元ではない。
指輪なんぞしなくても強いつながりがあるのに育児事情を知らない他人が
勝手に判断してて、安易な設定だとわたしでも思った。
指輪をしている人は結婚してて、お互いしてれば円満。
そんな十把一絡げな、雑な判断できてしまう。
まあ、便利なアイテムなんだろう。本当に。
「結婚指輪なんか最初だけ」
「そうなの? でも旦那さんはしてるよね」
「男は、特にある程度の年齢にきた会社員はさ、社会的に認められた証みたいに
みえるんじゃん。既婚者って」
「確かに、この人どうなの?って人も、結婚してるって聞くと見方変わる」
「でしょ」
聞かなくとも、指輪一つでそう見えてくる。不思議だ。
娘ちゃんのオモチャの指輪が床に転がっていた。
これが本物だったら、相当派手なデザインだ。
ある種、呪いのアイテムに見えてくる。
指輪を外したら、本当のところは既婚か独身かなんか見分けることはできない。
既婚者が常にしてるとは限らない。
けど、判断材料にしてしまう、暗黙のルールが存在してる。
面倒くさいアイテムだ。
指輪一つでその人の置かれている環境が変わると思ってしまう。
結婚していない人が、左手の薬指に指輪をすることは許されないからなんだろうか。
どの指にしたっていいのに、しちゃいけない気がする。
意味を持たせてしまう。
どうしよう。
試しにはめたオモチャの指輪が抜けない。左手の薬指。