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序章

――西暦3250年7月15日

今日人類史に残る、スピーチが生まれた。

人類はそのスピーチに注目していた。


「我々人類は、今までの歴史において数多くの恥ずべき行為を幾度となく繰り返し演じてきた。そのたびに我々は決意し、涙を流し、二度と恥ずべき行為をしないことを約束した。しかし、我々は学習することができなかった。いや、学習することを恐れていたのだろう。決意から逃げ出し、どんどんと遠くへ、遠くへと行っていき、ついにはまた同じような恥ずべき行為を始めてしまうのだ。もう二度と、このような恥ずべき行為は必要がないだろう。恥ずべき行為をした後の代償は、あまりにも少なすぎるのだ」


男は冷静に語りかける。


この時代、世界は人類史にも稀に見ない平和な時代であった。その平和な時代の中には、強き国、強き力にあこがれる者がおり、いつ平和な時代が終わるかがわからない状態であった。

もちろん、この平和な時代の中にはそれら以外にも、この平和を永遠のものにしたい人間や、ぶっちゃけどうでもいい人間もいるのだ。

そんな中、ある科学者があるものを発明した。それは、人類史に残る(予定)発明だ。


「我々は、強制的にでもこの平和的で安定した生活を継続させ、人類を今よりも繁栄させなければいけないのだ。そして、そのためにはこの、私が開発したこのソフトが重要になってくるのだ」


この男は、ナルシストだ。小さいころから自意識過剰というか、いろいろと自分が好きで、自分の考えたことに関しては自分で「こりゃあ最高傑作だぜ! ほかの周りの奴はダメだなぁ」というぐらいだった。これだけ見ていると、彼のことを「うぜぇ」とか「死ねや」とか思っている人がいるかもしれないと思うだろう。だけれども、真実はそれとは程遠く彼はとてつもない人気者だった。なぜだかわからないけれども、異常なまでの人気で、彼の研究を助けるものも多かった。

研究というからには、彼は科学者で今回の発明したものもソフト、あるソフトなのだ。


「このソフトの名前は、T-HGW。正式名は、Time―History global World。すまないが、英語は苦手なんだ。英語の正式名は適当につけたから、なぜ僕がこのように名前を付けたのかを考察するのは、やめてくれ。変に考えられると、こっちが恥ずかしい。本当の正式名は、日本語でつけてある。その名は・・・」


彼は、自他ともに認めるほど英語が苦手だ。英語なんてなくなればいい! 英語なんていらない! それほど強く思うほどだ。その意見には賛同しよう。

彼はそもそも論、彼は日本人だ。生粋の日本人だ。外国の友達がいるわけではなく、海外に行ったことがあるわけでもなく、ただただ学校で受験英語を学ぶのが苦痛だったのだ。だからこそ、英語を勉強する分の時間を、自分の研究に当ててきたのだ。だけれども、研究を発表するには、英語が必要だ。彼は「英語をやりたくない。だから、何度も研究をやめようと思った」と話している。


「・・・時間転移装置だ」


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