ー8ー 真の力
目が覚める。この世界の朝は辛くないのですごく助かる。
外はまだ薄暗い。
まだみんな寝ているようなのでこの時間を利用して新しい能力を確認する。
まずはジュリビアを手に押し当てる。
急に体に力が漲るのを感じたシヴァは能力を確認するためステータスとスキルを開く。
破壊神
レベル:23
戦闘ランク:S
体力:306 D
攻撃:0 G
防御:407 D
速度:803 S
魔攻:896 S
魔防:873 S
戦闘スキル
八咫烏
魔力を放出しその魔力に触れたものを自由に操る事ができる。攻撃範囲は魔力量に依存。
歪空
右手のみ使用可能。空間を歪める事ができ、攻撃を防ぐ事ができる。防御範囲は魔防に依存。
黒炎
左手のみ使用可能。手に宿した黒炎を自由に操作できる。ダメージは魔攻に依存。攻撃速度は速度に依存。
「 」
「 」
生活スキル
浮遊
移動時の体力消費をなくす
装備
アクセサリー
「ミッドナイト」
三大神器の一つ。
すべての終わりを告げるとされる。
すべての武器の能力を跳ね上げる。
能力?
「カムイ」
賢者石を12個繋ぎ合わせたブレスレット。
魔攻+300
「レイン」
賢者石を12個繋ぎ合わせたブレスレット。
速度+530
「アリエ」
賢者石を12個繋ぎ合わせたブレスレット。
魔防+300 魔力+30%
はぁ・・。強すぎだろ。ゲームバランス・・・
スキルの空欄を気にしつつ、次は姿を確認する。
ブーゥン
ミッドナイトはそのままで左手首には「カムイ」と「レイン」。右手首には「アリエ」が着けられている。
ズボンは黒いスーツで上は黒いシャツの上に袖の広い白い上着を羽織っている。袖には術式のようなものが刻まれている。
武器がない分楽だ
サクリ砂漠で試してみよう
朝の街にでる。太陽が昇りきっていない街は違う魅力がある。
すぐにもと来た道を1人で歩く。双月の時まであと5日、それまでに力を手に入れなければ。
国を出ると草原の向こうに砂が見える、草原を一歩出れば戦場だ。
草原を歩きながら「黒炎」と「歪空」を発動してみる。
左手には手を包み込む程の黒い炎が絶えず燃え盛り、右手には変化がないようにみえたが時折、紅い魔力が手の周りを泳ぐように現れ消える。
左手を振る。するとシヴァの左側の草が燃え、右手を振るとシヴァの右側の地面が綺麗にえぐれる。
すげぇな
そうしている間に砂漠に着く。前と同じ屍賢者10Lvとゴーレム41Lvが砂煙をあげながら現れる。
「八咫烏」
すると体からジワリと魔力が漏れるのを感じる。
こうか?
力を入れるとシヴァの体から大量の魔力が吹き出る、それがゴーレムとリッチを包み込むのを感じた。
意識の奥底から記憶が蘇る。
「実行」
すると2体は小さな衝撃とともに倒れる。
ジュリビアすげ〜!!
不意に眩暈がする。
あんだけでこんなに魔力使うのかよ。
魔力の30%程を一度に消費したショックで体が悲鳴をあげる。
諸刃の剣か・・・
さすがにここまで強いとリスクもある事を知る。
慣れば魔力の消費だけですみそうだ。
そのあとシヴァは砂漠中のモンスターを倒してまわりかなりスキルにも慣れた。さらに砂漠の広さと再生力を知る、国を中心に砂漠を一周する頃にはモンスターが復活しているのだ。
雑魚ばかりでレベルは上がらなかったが調整にはもってこいの場所だ。
だが魔力が足りない。そこでサラマンダーのクエスト報酬を思いだす。
賢者石貰ってたよな
急にテンションが上がってくるシヴァだった。
ユナが居たら暇なんてないのになぁ
今度は太陽が出ている、そんな事を考えながらさっき歩いた道を戻りギルドに向かう。
行ったり来たりでかなり時間を無駄にした気はするが時間が余って仕方ないのも事実だ。
あと3日で強くなって双月の時の2日前に神殿を破壊するという段取りだ。
ギルドに着くとクエストボードを舐めるようにみる。
3日で達成でき、報酬が魔力に関係するものを探す。
「ゴーレムかぁ、簡単だけど報酬が・・。うぉ、報酬すっ・・。無理だ・・・」
「護衛、目的地ネフト帝国、往復2日程度。日付、双月の時に間に合えばいつでも結構。城受付おこしください。報酬「節約術」?」
節約術
一つのスキルのリスクを軽減。
「やった!ってか、この世界は俺の為にあるのか?」
今なら間にあう時間も丁度いいので早速向かう、というか隣だ
城の一階、そんなに人は居ない。
店は軽食程度のものしか売っていない、広場がすぐ近くなので当たり前かもしれない。
正面玄関からまっすぐ奥に進むと受付がある、見るからに受付だ。
「あの、護衛の・・」
「身分と力を」
エリートオーラを出す若い男性だ。
「えっと、力なら・・」
職業の姿になる
「破壊神っ!!」
死神より驚かれている気がする。
「しっ、失礼しました。ゼウス様とはどういう」
破壊神とゼウスの関係って有名?
「家族っていうか」
「失礼いたしましたぁあああ」
「うゎ、えっ?」
「大変申し上げにくいのですが、身分のはっきりしない方には反抗ができないように術式をかけさせていただく事になっております」
「どうぞ」
「ではっ」
男性の手から赤い光がでる。それをシヴァの右手首に押し当てる。
手を離すとそこに短い術式が刻まれていた
「少しでも反抗しますと仮死状態に陥るのでお気をつけください。」
「はあ」
「すぐに連絡を入れますので2時間後、南門でお待ちください。」
「誰を護衛・・・」
受付は軽く頭を下げる。まただ、また帰れの代わりに頭を下げられた。
隠す事ないのに
約束の時間、南門。
馬車の音が聞こえてくる。
馬車には運転手1人男女1人ずつ乗っていた。
シヴァの前で止まり男が下りる。
「私はこちらに居られる姫様の世話役兼護衛のムロイです」
白ヒゲを生やした優しそうなおじいさんが護衛というのに疑問をもつ。
「よろしく」
「それで仕事の内容ですが」