ー4ー スキルと斬撃
一日2話書きました!
疲れた(笑)
B4、風景は相変わらずだが戦闘音が聞こえる。
近づいてみると2mくらいの中ボス合成獣Lv28と戦闘を繰り広げるユナと思われる人間が居た。
シヴァは女神を初めて見たのだが、その戦闘力に感嘆の声を上げそうになった。
ユナから青い水属性の光球が放たれる。途中で玉が複数にわかれトリッキーな動きで玉がキメラの顔面目掛けて飛び見事全弾命中しキメラを撃破する。
医療魔法のスペシャリストが中ボスを撃破した、普通に考えればありえないが、特級職業「女神」、シヴァも同じ特級職業でその圧倒的な戦闘力を体験しているのでもうなんでもありなのだろう。
これがゲームだったら売れねぇな絶対
ここに来た目的を思い出し話しがややこしくならないように職業を解除しユナに声をかける。
「あんたがユナか?」
礼儀を忘れたシヴァだったがまぁいいだろう、歳は同じくらいだ。
「っ‼‼びっ、びっくりしたじゃないの!こんな所でなにやってんのよ!」
「それはこっちのセリフだよ、あんたこそここでなにやってんだ」
一瞬目を見開くユナだったが事情があるようだ。
「なんで赤の他人に私の事はなさないといけないわけ⁈」
そういうとユナは早歩きで先に進んでしまう。
ったく、可愛くねぇな。
B5、そこはB4の10倍くらいの広さで、周りは石で固められている、薄暗い場所で壁では炎が不気味に揺らめく。
ジュー
モンスターが地面から湧き出てくる。
そこにはさっき倒したキメラLv25が10体とボスの火龍Lv30がいた。サラマンダーは火の元素を司っている精霊だ。
シヴァが口を開く
「俺が攻め込むからユナは援護にまわってくれ」
ユナの頬が赤く染まる、それを隠すように言葉を返す。
「雑魚は引っ込んでいろ、邪魔だ。私は特級職業「女神」だぞ!」
こういうタイプの女の扱いは知っていたので素直に観戦する事にした。
ユナは先ほどと同じ水属性の光球を作りさらに密度を最高に上げて貫通力抜群のものにし、それをサラマンダーに直撃させるがまったく効いていないようだ。
火を纏ったサラマンダーはユナに飛びかかり前足のひづめでユナを横に吹き飛ばした。
「キャッ」
ドスッ
ユナは壁にのめり込む壁はパラパラと崩れユナを地面に落とす。そこにキメラの群れが倒れているユナを囲み前足で踏み潰そうとする。
キメラは前足を振り下ろす。がユナに触れることはなかった。
シュァァァァア
魔力の上昇によりキメラの群れの間から白い湯気に似たものが吹き上がると共にスキルを発動する詠唱がきこえる。
「我に仇なす敵に鉄槌をくだせ【フレアロウ】」
ユナがスキルを発動するすると群れの中心から閃光が放たれキメラの群れが四方に吹き飛ぶ。
だがキメラは唸り声をあげながらすぐに立ち上がりシヴァとユナを囲む。後ろは壁だ、なのでシヴァも逃げられない。
はぁ はぁ はぁ
「ユナ大丈夫かよ、息が荒いぞ」
「うるさい!だま・・れ・・・」
ユナはその場で両膝をつき今にも倒れようとしていた。
魔力切れか?
それを見ていたキメラの群れがシヴァ達に雄叫びをあげながら地を蹴り襲いかかる。
口を大きく開けたキメラをみてユナは泣きかけている。
シヴァは後ろからユナに歩み寄りそのまま前にでる、それと同時に死神の姿に変わる。
「えっ⁈」
「あとは俺に任せろ、雑魚並に頑張ってみるからさ」
振り返ることはしなかった。
シヴァは魔力を最大まで高める。体からは大量の黒い魔力が吹き上がる。
小石などが地面でカタカタと小刻みに揺れ、空気も震える。
「ありがとっ・・・」
うつむいているユナだが目から溢れる涙が隠しきれていない。
可愛いとこあるじゃん
そんな事を考えながら武器を構える。
バトル開始だ!
ユナの【フレアロウ】のおかげでキメラの体力は減っているはずだ、これなら死闇で一掃できる。
キメラを飛び越えサラマンダーに斬りかかる、それと同時にスキルを発動する。
「死闇」
囁くように唱える。
後ろで倒れる音が聞こえる。
あとはサラマンダーだけか。
とりあえず斬りかかりダメージを与えようとするがあまり効いていないようだ。
っ‼硬っ
さっきのユナの光球を気にもしなかったのだ、それに見るからに硬そうな皮膚は斬撃が効きそうにない。
考えろ・・・
バックステップで大きく後ろに飛び退きながらサラマンダーを倒す方法を考える。
スキル・・・ザイン・・・雲 雀・・・
一か八か・・
雲雀をしまう。ザインを体の右側で刃を後ろにして両手で持つ。
魔力を再び込めるとザインの刃は岩盤をも切り裂くものとなった。
シヴァは自身の後ろの地面を切り裂きながら地を蹴りサラマンダーとの間合いを詰める。
さらに死闇でサラマンダーの下顎を下から上に向かいダメージを与えるイメージをする。
それによってサラマンダーの体は仰け反る、シヴァに腹を見せる形になる。
やっぱりな
腹は弱い物だ。サラマンダーの腹も多少は硬そうだが岩よりははるかに柔らかいはずだ。
仰け反ったサラマンダーが体制を立て直そうとするところにザインを振り上げる、ザインは見事にサラマンダーに刺さった。そのまま頭の上を通過させ後ろに吹き飛ばす。
やばっ、ユナが!
ドスッ
ん?なんか、こっちに向かって飛んで来てる?
サラマンダーがこちらに吹き飛ばされてくる。
それをなんとかよけると魔力が下がるのを感じる。
「ユナ!」
「危ないじゃない!」
「体は大丈夫なのか?」
「私は医療魔法専門なのあんな傷くらい自分で治せるわ」
傷は完全にふさがっている。
「俺とパーティ組まねぇ?」
なっ!
ユナの頬がランプの炎の下で赤く染まる。
「い、いいわ、でも条件付きよ!」
ユナが出した条件はこれだ
・サラマンダーの手柄はユナにわたす。
・ユナを守る
・闘技大会に一緒に出場して優勝
・ユナの友達に会う
まぁ、なんとかなるだろう。
サラマンダーの首を切り落としユナに渡す。シヴァはサラマンダーの胴体を持ち帰る。サラマンダーの体からは未だ炎が出続けている。なにかに加工するつもりだ。
「それじゃっ、帰るか!」
「うんっ」
いや、やっぱ可愛いじゃん!
街探検にいこっかなぁ