少し危ない電話
少し下ネタ含みます。
あれから井坂は、清水をおぶって真夜中の道路を歩いていた。
井坂「今どんな感じ?」
清水「なんか、体が痺れ、て・・・頭もふわふわする、かな?」
井坂「そうか、キツくなったら教えてくれ」
彼は結構焦っていた。
真夜中とはいえ、全く通行人が歩いていないはずもなく、たまに見かける通行人には変な視線を向けられる。
正直たまったもんじゃない。それに・・・
井坂(この液体がどんな毒を持っているかまだ分からない。もしかしたら強力な毒かも)
今の彼女はお世辞にも気分が良さそうとも言えず、ひどくぐったりとしている。
井坂はポケットから携帯を取り出し、ポチポチとボタンを押しだす。
井坂「あ~もしもし?井坂だけど」
電話「あ、終わった?」
井坂「いや、終わったことには終わったが・・・」
この電話の向こうには、同じ自警団仲間が居る。
こいつは主に情報を集める仕事で、とりあえず報告する。
井坂「なんか清水が変な液体を被ってぐったりしてる」
電話「症状は?他にも、液体の特徴とか詳しく」
井坂「え~っと・・・体が痺れて、頭がふわふわするらしい」
電話「ふわふわ?」
井坂「そう、ふわふわ」
電話「ふーん・・・なんでその液体なんか被ったの?」
井坂「なんかタコとイカを足して、半分に割った奴殺したら、液体に変わって、そのまま清水に・・・」
電話「ぶっかけられた訳ね」
井坂「・・・」
井坂は呆れる。
何故この状況で下ネタが言えるかと。
すると電話の相手が少し考えてから
電話「・・・もしかしたら媚薬だったりして」
井坂「び!!?」
思わず大きな声を出してしまった。
清水は目で「どうした?」と訴えかけてきたので、頭を横に振って「別に?」と返した
電話「冗談に決まってるじゃん?とにかく、そんな情報ないから早急に洗い流してね。間違っても変な気は起こさないようにね」
電話の向こうから「心配だな~」とか「危ないな~」とか呟いている。
もちろん井坂に聞こえる様に呟いているのだろう。少し笑ってる
電話「あ!間違ってもセ」
井坂はなにも言わずに電話を切った。
井坂(きっと大丈夫か?)
気づけば背中の彼女の家に着いていた。