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7.死神の告白
「またお会いしましたね」
「あんたも良く働くな。お疲れさん」
死神は私に微笑みかけると、黒い宝石を取り出した。
死者の魂を天に送った後、死神がつぶやいた。
「俺、天使になると思ってたんだよな。あ、子どもの頃な」
死神によると、神の使いとして生まれた精霊たちは、透明な宝石を持って生まれてくるそうだ。成長するにつれて、透明だった宝石は、白か黒に染まっていくらしい。白く染まれば天使に、黒く染まれば死神になり、神に仕えるのだという。
「宝石が黒く染まっているのに気づいたときは、まさかって思ったよ。黒い宝石は死神の証だ」
「そうですか」
死神は目を伏せて、じっと動かない。
「……ままなりませんね」
私も目を伏せていると、数秒後に死神は顔を上げ、ニッと笑った。
「ちょっと、しゃべりすぎた」
死神は鼻をこすって、私に手を振る。
「またな」
「また、お会いしましょう」
私は死神と会えるのが「嬉しい」ことになっているのだと気がついて、彼のいなくなった部屋で茫然と立ち尽くした。




