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不死身の私と死神  作者: 茜カナコ


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5/10

5.死神との再会

 町を移り、神父としてさびれた教会にもぐりこんで三か月が過ぎた。

「なあ、となりのばあさんが死にそうなんだ。看取ってやってもらえねえか?」

 時々、教会に来る粗末な身なりをした老人に言われ、私は静かに頷いた。


 案内に従い、家に入る。

「俺は立ち会いたくねえんだ。じゃあ、頼んだからな」

 老人は自分の家に戻って行った。


私は扉を開け、部屋の中に入る。奥の部屋にベッドが見えた。


 もう命が尽きようとしているのがわかる。荒い呼吸を繰り返す老女のベッドの脇に立っていると、死神が現れた。

「またお前か? 死神でもないくせに、また死人のそばに居るのか?」

「またお会いしましたね。この方は亡くなっていませんよ?」

「まだ、な。でも、もう死ぬ」


 死神が、魂を抜いて天に送る。私は、死者に祈りをささげた。


「あんまり楽しい仕事じゃねえよな」

 ぽつりと死神がつぶやいた。


「この前なんかさ、赤ん坊を抱いた母親の魂を抜かなきゃならなくてさあ」


 死神の口元がゆがんだ。

「赤ん坊の泣き声だけが部屋中に響いて、やるせなかったよ」

「あなたでも、そんな感情をおもちなのですね」

「意外だろ? 俺、実は繊細なんだ」


 そう言うと死神は寂しそうに笑った。


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