10/10
10.終わりのある幸せ
「爺になったな」
「お互い様でしょう」
小さな家で、二人暮らしを始めてからずいぶん時間が過ぎた。
元死神も私も、年をとり、体の不具合もだんだんと増えている。
「さあ、今日は何をしようか?」
のっそりと椅子から立ち上がった元死神がゆっくりと伸びをする。
「散歩にいきますか?」
私も杖を使いながら、立ち上がる。
「そうだな。今日は街に行ってみるか?」
「人混みは好きではありませんが、貴方と一緒なら良いですよ」
元死神が鼻で笑う。
「じゃあ、行くか」
弱った足を少しずつ動かし、並んで歩く元死神と私。
街へと向かう道の途中で、元死神が私に尋ねた。
「俺が死んだら、寂しいか?」
「もちろんですよ。そんなことは嫌ですから、私が先に行きますよ」
「そこは、『最後は一緒に』じゃないのかよ」
元死神が冷ややかな目で私を見る。
「貴方はロマンティストですね」
「今頃気づいたのか?」
元死神は愉快そうに笑った。
最後までお付き合い有難うございました!
よろしければ☆をお願いします!




