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青き巨漢魔人エルグラント、首斬り黒魔法の超絶威力!

 モイリー油田は町ひとつが作れそうな広大な敷地にある。

 施設は原始的。張り巡らされたパイプラインと採掘塔のみだ。

「燃える水」がモイリー町で発見されて以来、原油は貴重な資源として、カラビア国が国営で採掘を続けてきた。

 

 魔人・エルグラントはここで大量殺戮を行ったのだが、施設だけはキレイに無傷で残している。

 おそらくこのまま利用したいのだろう。


 ユキオたちの到着を待つように、魔人・エルグランドはパイプラインに腰かけていた。

 その身長は、立ち上がれば採掘塔と同じ人の背たけ3人分の大きさがある。

 まさに怪物の大きさだ。

 肌の色は青く、大きく割れた口と牙、全身はよろいのような筋肉でおおわれている。人間のレベルをはるかに越えた恐ろしい運動能力を感じさせる。

 

 その姿を真っ先に発見したのはパトリシアだ。

「魔人エルグラント、覚悟しなさい!」

 剣を抜いて一気に斬りかかる。

 その瞬間、エルグラントも素早く反応して立ちあがり、詠唱する。

「アックス……」

 ハルミが言っていた、光線で首を斬る黒魔法だ。

 これをパトリシアが食らったらひとたまりもない。

 ユキオは瞬時に火炎魔法集中弾を詠唱する。

「フレーミングヒート」

 エルグラントの手首に命中。

「あちっ!」

 エルグラントがつぶやくとともに黒魔法の軌道はパトリシアから外れた。

 外れたものの、その光線の軌道は周囲の空間を一気に切り裂いていく。

 当たっていたらパトリシアの体は真っ二つになっていただろう。

 恐ろしい技だ。

 一方、パトリシアの電撃的なスピードの一太刀を、エルグラントは見切ってかわしていた。

「ちっ!」パトリシアが口惜しがる。

 と、ともにユキオに対しては、礼を言う。

「ユキオ、黒魔法を妨害してくれてありがとう。あれが当たっていたら、私はもうこの世のはいなかった……」

 いてもたってもいられなくなったソニアが言う。

「御主人様、私も助太刀するのです」

 しかしユキオは、

「今回はまだ、ガマンだ」

 とソニアを制止する。というのも魔人エルグラントが、パトリシアの剣技を完全に見切るほどの力を持っているからだ。 

 ソニアも強いが、パトリシアより格は下だ。だとしたらソニアが勝つ見込みは4割を切るだろう。いざというときまでは温存だ。


 パトリシアとエルグラントのハイレベルな攻防。

 攻撃しようとしたとき、絶対にスキが生まれる。

 エルグラントは、ひたすらカウンター攻撃を狙っている。


 パトリシアが今度は、低い姿勢から斬りかかる。

 エルグラントはカウンターで黒魔法攻撃を撃つ。

 その瞬間、ユキオがまた集中火炎弾を放つ。

「フレーミングヒート!」

 エルグラントの手に命中するとともに「痛てぇ!」と魔人の声。

 しかしエルグラントはパトリシアの胴斬り攻撃を、しっかりとかわしていた。さすがだ。

 しかしパトリシアは採掘塔を踏み台に使って三角跳び。 

 エルグラントに連続攻撃を仕掛けて頭部を切ろうとしたが、これも空を切った。

 ここでユキオは気づいた。

 今日はフレーミングヒートを使いすぎた。

 魔力が枯れてしまっているのだ。


「さっきからワシの邪魔をしているのはオマエか!」

 エルグラントがユキオをにらむ。

「しかしな、オマエがこれ以上の攻撃ができないことを俺は知っている。ここは燃える水がまわりにいっぱいの油田だからな。もし派手にやって火が付いたら、ここにあるお宝のすべてが火炎でパーになっちまうからな」

 見当は違うが、結論としては当たっている。

 どちらにしても、もう魔法は使えないのだ。

 エルグラントがユキオに言う。

「まずはオマエから始末してやる」

 あの首切り黒魔法弾を撃たれる。

 もう、おしまいだ――。


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