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第四部〈悪魔の侵略国家編〉美しきエルフ・ルシアは昼間に体を洗うのです

  ルシアはエルフ族の王女だ。ウィンランド国王に頼まれてこのたび、ユキオの冒険の旅の仲間に入ってもらうことにした。しかしユキオは、彼女が人間と生活をして支障が出るのではないかとひそかに心配している。

 ルシアは色白で、ワンレングスに揃えた金髪のロングヘア。大きな瞳、すっきり通った細い鼻筋、ピンクの形よい唇。体形はスリム。肩に小さな白いジャケットを羽織っているが、肌の露出は大胆だ。バストのふたつの白いふくらみはふくよかで、白いブラが乳房を下から支える。上向きのヒップは白いミニスカに包まれ、スラリと美脚が伸びる。そして布地にはすべてエルフ伝統の刺繍がなされている。

 そしていちばんの特徴がエルフ族の象徴である長く先がとがった三角耳だ。髪の間から上向きに突き出している。この耳こそがルシアの顔に神秘的な印象を与えている。

 ミステリアスな彼女だけに、ユキオ家でリラックスして暮らせるのか。

 とユキオは思っていたのだが、来て早々、キッチンで、ソニアとキャッキャッとガールズトークを始めていた。一緒に夕食の支度をしつつ、ルシアは初めて見る人間の食材がよほど珍しいらしく、はしゃぎまくっている。

 ソニアが

「ルシアはゴハン食べるの好きなのか?」

 と、当たり前すぎる質問をすると、ルシアも、

「うん、美味しいもの、だ~い好き!」

 と当たり前すぎる返事を返して、

「そーだよね~!!」

 と盛り上がっている。

 少し離れたリビングのソファ。ユキオの肩に腰かけたアイシルが苦笑いしながら、ユキオに言う。

「何よ、あの会話」

 ユキオも笑いながら言う。

「アイシルなら絶対しない会話だな。でもあれでコミュニケーションが取れるのは、ソニアのウサギ耳とエルフ耳の、耳つながりかな?」

「……ユキオも会話のセンス、そうとうないよ」

「アイシルは手厳しいなあ」

「ウフフ、冗談。にぎやかになってよかったわ。それに……」

 アイシルが真顔になって言う。

「ネロディウスに対抗できるのは、本当にあの子だけかもしれないわ。この世界の未来は、彼女を預けられたユキオにかかっているかもしれない」

「ちょっとちょっと~、やめてくれよ」

「あ、ゴメン。ユキオはユキオらしくやるだけでいいよ。私もユキオに救われたし、もう十分すぎるほどユキオがみんなを救ってきたこと、私はわかっているから」

「おいおい、死亡フラグみたいなの、立てるなよ!」

 こちらの2人も顔を見合わせて笑った。


 ソニアがルシアに手伝ってもらって作った夕食のメニューは、シャウエッセン・ウインナーとじゃがいもと季節の野菜のポトフ、カッテージチーズのスパゲティ、ガーリックバターで軽く焼いたバゲットだった。

 ポトフを食べたルシアは、美しいな顔を崩してトロトロの笑顔になった。

「スープのコクと野菜の旨味が合わさって幸せすぎる~。じゃがいもとシャウエッセンの相性も最高♥」

 そしてカッティングチーズのスパゲティについても、

「チーズって初めてだけど凄く美味しい…ミニトマトのさっぱりした酸味と合わせるともっとステキな味になるのね。他の食材とも全部マッチしてて、こんな凝った料理は初めて!」

 シェフのソニアは、

「ルシアの感想も最高なのだ」

 とご満悦である。

「確かに、聞いているとより料理が美味しく感じられるね」

 と、今日も人間サイズになって食事をしているアイシルも同意する。


 食事を終えて、ソニアとルシアは一緒にお皿を洗う。

 ユキオはお風呂の準備をするために部屋を出る。

 キッチンの洗い場では、ソニアがルシアに言う。

「片付けが終わったら、お風呂に入るのだ」

「お風呂ってなんですか?」とルシアが聞く。

「風呂に入らないのか? ではエルフさんは体を洗わないのか?」と、ソニア。

「体を洗う時は、泉に入るんです。少し暖かい水が湧き出ている泉がところどころにあるので、体を洗いたいときは、みな、そこで体を洗います。夜は暗いので、みな、昼間に洗っていますよ」

「へぇ~、エルフさんはそうなのか」と、ソニア。

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