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ハルミ訪問 カラビア国王からの招集 しかも勇者アキラと一緒!


 翌朝、ハルミがユキオの新居を訪ねてきた。

 顔の広い彼女はドミニクさんから、ユキオが昨日引っ越したという話を聞いていたのだ。

 呼び鈴を鳴らしたが返事はない。

 玄関のドアのカギもかかっていない。きっと引っ越し初日で慌ただしくて、忘れてしまったのだろうな、とハルミは思う。

 中に入っていく。玄関にもリビングにも誰もいない。

 奥に寝室らしき部屋がある。ノックをするが返事はない。

 ドアを開けて中に入る。大きなベッドがあり、ユキオが眠っている。イタズラ心がおきたハルミは、

「ユキオさん、もう朝ですよ、起きてください」

 と掛け布団をめくる。

 するとユキオの両腕には、アイシルと、ソニアがしがみついている。

「キャー!」

 とハルミが悲鳴をあげ、ユキオが飛び起きた。

「ハルミさん!」

 なぜ、ここにいるのか? 真っ先に疑問が浮かぶが、それを聞く前に、ハルミさんがユキオを問い詰めるように言う。

「ユキオさん、複数で、そういうことする趣味があるんですか?」

「そういうことって?」

「そういうことは、そういうことです!」

 ハルミがぴしゃりと言う。なぜ怒られなきゃいけないのか、と思いつつ、ユキオは、

「俺が眠ったあと、気づいたら2人がベッドに入ってきていただけなんだけど……」

「そうなんですか?」

 ハルミが疑わしそうに言う。ユキオが続ける。

「もちろん。そもそも俺、ハルミさんがいう『そういうこと』って、たぶんアイシルともソニアとも一度もしてないよ」

「えっ、そうなんですか?」

 ハルミの顔が、ぱっと明るくなる。それでも、

「本当ですか?」

 ともう一度、疑わしそうに聞くハルミ。

「ホントにホントだよ」

「本当に本当?」とハルミ。今度は甘えるような上目(づか)いだ。

「うん」


 すると、ハルミの顔が優しくなった。

 やっと、いつものハルミさんに戻ってよかった、とユキオは思い、こう言う。

「みんなの朝食を作るからハルミさんも食べていってよ」

 ハルミさんは、

「いいんですか?」

 と遠慮がちに言うがユキオは、

「何か話があったんでしょ。朝食を食べながら聞きますよ」

 とハルミに微笑む。

 ソニアとアイシルはまだ寝ている。よほど疲れていたのだろう。

 朝食ができたら起こそうと、ユキオは思う。


 新居のダイニングテーブル、ハルミさんを加えた4人で食卓を囲む。朝食はフレンチトーストとフルーツ、ヨーグルト。ユキオがつくったから、ごく簡単なメニューだ。

 でも3人は美味しそうに食べてくれて、ユキオはうれしく思う。

 ハルミの話はこうだった。

 カラビア国に新たな問題が起きていた。

 魔神・ネロディウスが北部のラインラント市に出現して住民を虐殺、軍の戦死者も多数出ている。

 そしてもうひとつ、エルフの森付近の行方不明者が増加していることだ。

 特にラインラント市の戦線は状況が厳しく、カラビア国の軍隊だけで制圧するのが難しくなっている。

 そこで勇者と冒険者に白羽の矢が立った。

 候補者は何人も上がったが、ほとんどが決め手に欠けた。

 最終的に残ったのが、勇者のアキラと、冒険者のユキオだった。

「国王のカルロスさんは、この2人の力が必要だとおっしゃっています。つきましては明日の朝、国王のミュンスター城にご来場いただきたいとのメッセージが、冒険者ギルドに届いたのです」

 また、あのアキラと一緒か、とユキオは内心で思う。やたらと因縁がある。

 過去世では、大事に思っている女性の唇を目の前で無理やり奪われた恨みがある。

 しかも顔を合わせたら何かとマウントをとろうとからんでくる。

 今後も普通ではすまないだろう、とユキオは覚悟する。

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