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「赤い仮面の男」と「巨大魔竜ラーク」の秘密

 巨大魔竜、ユキオ、ソニア、アイシル。

 このバトルの元凶になっていたのが「赤い仮面の男」だ。

 その人物が逃亡してしまった今、残された4者の間に、妙な空気が残されてしまった。


「そもそも、俺たち、なんで戦っているんだっけ?」

 とユキオは竜に話しかける。

 (ドラゴン)は鋭い眼光のままだが、もう殺気は消えており、すぐに攻撃を仕掛けようという雰囲気ではない。

「そうだな……。オマエらには恨みはないが、あいつは利害が一致する仲間だ。だから呼びだされるたび、相手をやっつけてきたのだ」

 という竜。しかしこう続ける。

「でも、あの仮面男はもう仲間でもなんでもない。アイツは俺のプライドを傷つけた。竜族は誇りを汚す者を絶対に許さない。侮辱してくるヤツは即、敵になる」

 そんな竜に、ユキオは聞く。

「なぜ仮面の男と仲間になった? あの男は誰なんだ?」

 竜はすこし間をおいて、答えた

「俺もヤツの素性は知らない。だが過去の戦争の中で、魔法で封印されてしまった龍族の危機を助けてくれたことがあった。それ以来、ヤツとは味方として戦ってきた。でももう十分に借りは返している。縁を切るにはちょうどよかったさ」

 ユキオが言う。

「では、俺たちは仲間になれないだろうか?」

 竜が即座に言う。

「お断りだ。そもそも俺たちは人間が好きじゃない。利害関係がない人間とは絶対に仲間にはなれないし、なりたくない」

 ユキオが言う。

「誇り高いんだね。わかったよ。どこかでまた会って、味方になれそうだったら、よろしく。名前だけでも教えてくれないか」

 龍が静かに言う。

「我が名はラークだ」

「俺は冒険者のユキオ、肩に乗っているのは精霊のアイシルだ」

 龍は最後にソニアを見て、

「あんたも強かった。失礼なことを言って悪かったな」

 ソニアは、

「問題ないのだ。竜さんの方が100万倍強かったのです。名前はソニアなのです。覚えておいてほしいのです」

 竜は少し笑ったように見えたが、気のせいかもしれない。

「俺は自分の居場所に戻る!」

 竜はそう言い放って、大きな風音を立てながら去っていった――。


「そういえばフリードリヒ、いなくなってしまったね」

 アイシルが言うと、ソニアが、

「みんなが戦っているとき、こっそり逃げていったのです」

 と言う。

 ユキオが言う。

「フリードリヒなら逃がしても問題ないさ。悪事はすっかりわかったし、借用書も燃やしてしまった。被害者たちの証言を集めれば、彼の罪は白日のもとにさらされる」

 アイシルがユキオに笑いかける。

「ひとまず投資詐欺事件は解決ね。ナーゼルも迎えに行けるわ」

「そうだね」

 ユキオも微笑み返す。

 しかしユキオの頭の中には、仮面の男のことが残っていた。

 あの人物はとんでもなく強い、しかも頭がいい。

 そんな男が暗躍を続ける限り、今後も完全な平和は訪れないだろう――。


(第二部終了)

(第三部 第一話「ユキオ、アイシル&ソニアとのマイホーム購入!」に続く)



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