ウサギ亜人・ソニアの秘儀!
そのとき、風のように飛び出した影があった。
ソニアだった。
ぴょ~ん、と空高く飛び上がった、かと思うと、
「ハンマー爆撃!」
と叫んで、大槌、自分の体より太いハンマーを取り出して、ヤマタノオロチの頭に次々と振り下ろしていく。
目にもとまらぬ速さで8回、打撃を加えた。
ヤマタノオロチの8つの頭が次々に小爆発を起こす。
「モンスターには猶予を与えてはダメなのです。すぐにトドメを刺さなくては!」
うさみみはそう言うと、
「ソニアカッター」
と詠唱して、8つの尾に向かって光る刃物のブーメランを発射した。
おろちの尾が次々に斬り落とされていく。オロチの動きがこれで完全に停止した
「ご主人様、あとは火炎魔法で燃やしちゃってください」
ソニアがユキオに言う。
「わかった!」
ユキオは巨大な体に向かって火炎弾を連射する。
ヤマタノオロチが一気に燃えあがっていく。
ソニアがユキオのもとにぴょ~んと跳躍して戻ってくる。
「さすがに、疲れた…のです」
ソニアは、ぐったりして、ユキオにもたれかかった。ユキオは両腕で彼女の身体を抱き抱えるように支える。
ユキオに抱かれて、幸せそうに目を閉じるソニア。つややかな唇には、かすかに笑みが浮かんでいる。
たわわなおっぱいのソニアだけど、ボディラインは意外にスリムで頼りなく、可愛い女の子を感じさせる。そしてサラサラの髪からは誘うように魅力的な花の香りがするし、柔らかですべすべの肌からは甘いミルクの香りがする。なのに、あんなに強いのはなぜだろう、とユキオは思う。
ユキオは、ソニアに言う。
「無茶して……。ヤマタノオロチを、ソニア一人で攻撃しろなんて、おれは命令してないぞ」
「でもご主人様は、私と一緒に戦うつもりだったんでしょう。だから先頭に立って頑張ったの」
ソニアが、ユキオを見つめて微笑む。
実際ユキオはそうするつもりだった。ユキオは優しくソニアの頭をなでた。