ソニア暴露告白『ご主人様の固くて熱いのが……』ハルミは大激怒!
朝の光が、ユキオのまぶたをまぶしく照らす。
いつの間にか、朝の8時だ。
ユキオはソニアを抱きしめるように腕枕している。うさみみは幸せそうな表情で夢を見ている。
ソニアも静かに寝ているようだ。無理もない、みんな昨日は大変な一日だったのだから。
ソニアの柔らかいお尻に、ユキオの朝の自然現象が突き刺さっている。ヤバイヤバイ。
ユキオはそっと腕枕を抜くと、ベッドから起き上がった。
そして朝市のマーケットに向かい、みんなの朝食の買い出しをした。
朝9時半になり、ソニアもアイシルも目を覚ました。
ユキオの朝食の準備も整っていた。
サーシャ沼の風車小屋に隠れるナーゼルにも、転位魔法を使って朝食を送っておいた。
起きてきてテーブルに座ったソニアが、
「ご主人様に朝食の準備をさせるなんて、本当に申し訳ございませんですぅ」
と謝ると、アイシルも、
「ユキオ、ありがとね」
とユキオに礼を言う。
「いやいや、昨日は俺、みんなに助けてもらってたから」
とユキオは返す。実際、そのとおりなのだ。自分は一人では何もできはしない。
みんなに助けてもらってるから、生きていけるんだ。
幸せな気分で朝食を食べているところに、突然、部屋をノックする音が聞こえた。
ユキオが出ると、ノックしていたのは、冒険者ギルドの事務員・ハルミ・イッチーだった。
「ハルミさん!」
驚いたユキオに、ハルミが言う。
「ユキオさんがここに泊まっているって、冒険者の方から聞いて、宿まで来ちゃったの」
「もちろん来ていただいて大丈夫です。何かあったんですか?」
「新しい巨大モンスターが出たんです」
「どこにですか?」
「隣のケント町です。この城下町まで被害が拡大してしまうかもしれません。大きな蛇の魔物だそうです」
「わかりました。話をお聞きしましょう。部屋の中に入ってもらえますか」
「えっ、いきなり来たのに、よろしいのですか?」
というハルミ、でも言葉とはウラハラになんだかうれしそうだ。
だけど部屋の中で、ソニアと、アイシルが食事をしているのは想定外だったようだ。
「え~っ‼」
とハルミが声をあげる。2人の女を見てショックを受けた表情だ。みるみる、悲しげな表情になる。
「ユキオさん、お付き合いしている女の人、いたんですか?」
「いやいや。そういう関係ではないですよ」
とユキオが否定する。
しかしソニアは天然な笑顔で、
「付き合ってはいないけど、昨夜はご主人様の固くて大きなモノを、いっぱい突き刺されましたの~」
と爆弾発言。
ハルミの顔はみるみるうちに紅潮して鬼の表情に……。
「そういう関係じゃないですか!」
「本当に違います。ベッドに入ってきたソニアのお尻に、朝の自然現象が当たっただけです」
なぜここまで恥ずかしい弁解をしなきゃならないのか、と思いつつ、ユキオは必死に弁解する。
ハルミは泣きそうになっている。さらにこう話しかける。
「付き合ってるんじゃなくて、冒険を助けてもらってるんだ。冒険者風に言えばパーティを組んでいるんだよ」
それを聞いて、ハルミが、
「本当ですか?」
と疑わし気に言う。ユキオはなぜ、俺がウソつかなきゃいけないんだ、と思いつつ、
「本当だよ」
と言うと、ハルミは、
「そうですか、よかった」
と気を取り直した。よかった、って何だろう?と思いつつ、ユキオは話を本題に戻そうとする。
「ところで、新しい巨大モンスター…って?」
ハルミは、ハッとした表情になった。
「そうでした。巨大なヘビが5体出現し、ケント町で暴れているそうです」
「いきなり、ですか?」
「ええ、ヘビはそれぞれ、8つの頭を持ち、近くにいた人間は一口で飲み込まれてしまったそうです。長老によると、歴史上古代から伝わる魔物”ヤマタノオロチ”だそうです。冒険者たちはまったく歯が立たず、次々と飲み込まれる犠牲者が出ています」
「ケント町には魔物が現れるような”きざし”はあったのですか?」
「もともと王立の軍事研究施設があるのですが、そこに突然現れたそうです。敵国の陰謀かとも噂されているようです…」
「わかりました。それを退治するのが、今回のミッションですね」
「ええ、このままでは、ケント町を突破して城下町に来るのも時間の問題です。頼れるのはもう、ユキオさんしかいないと思って、飛んできたのです」
ハルミが訴えかけるような潤んだ目でユキオを見つめる。
異世界に来たばかりのとき、ユキオを助けてくれたハルミさん。
彼女の頼みなら、やるしかないでしょう。ユキオは心に決めた。
「引き受けましょう」
「ありがとうございます!」
ハルミが弾けるような笑顔を見せる。
ところで”ヤマタノオロチ”といえば、どこかで聞いたことがあるな、とユキオは思う。
思い出してみれば「古事記」にも「日本書紀」にも出てくる、メジャーなモンスターである。
ユキオが言う。
「ハルミさん、お願いがあるんだ」
「なんでしょう?」
「”お使い”をお願いしたいんだ。ドワーフの鍛冶屋・ボーフムさんのところに行ってほしい」
「かまいませんが、私でつとまりますか?」
「大丈夫です。簡単な手紙を書くから、封筒を渡してほしいんだ。早ければ早いほどいい」
「わかりました」
「ありがとう」
ユキオはさっそく、さらさらと手紙を書き、茶色の封筒に入れてハルミに渡した。
「ではさっそく、行ってまいりますね」
いい娘だ。誠実でいつもみんなのために一生懸命で…。
ユキオはハルミを手を振って送り出した後、みずからは、ソニア、アイシルの3人と一緒にケント市に向かった。




