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アンティーククロック~復讐を目指す非常識現実生活~  作者: 団栗山玄狐
第一章 古き神事と理(ことわり)の捉え方
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act6 フライング 一

こちらは主人公視点のみです。




pm4:00(16:00)

近隣の自然公園にて



オレは公園入口の縁石に座り、公園の中を見渡していた。

そこに不安げな安村やすむらミコが公園の管理事務所辺りに現れるのを確認する。



動きが怪しいな、オドオドしているから挙動不審に見える。

何やってんだ、てめえの家の近所だろ。


挙動不審になってどうする。


念話でツッコミを入れてやろうと思った時に更に不審な行動をする者が目に入った。



電柱の影に隠れたり、喫茶店の看板に隠れたり、と見事なまでの怪しい行動。



あれで隠れているつもりなのか?と思えるほどに目立っている。


なんせその不審な行動する男子学生の後ろにいる奥様方が変態を見るような蔑んだ目で見ているからだ。それも一人や二人ではない。結構な数の人が呆れたり、怪しんだりしている。



流石に安村に付きまとうストーカーか、と勘繰ったがそうでないことはすぐに分かった。

左手首に念珠が見えたからだ。


オレの左手首についているモノと同一である。

アレを見つけなければオレもストーカーだと思っていたところだ。



しかし、完全なアホでしょう、アレは。



尾行するならもう少し考えてほしいよ、ホント。





それよりもどう確認するとどうしようかと考えないといかん。






いつの時代でも手に入れた力に浮かれ、自制できずにフライングするバカ者はいる。

今回は、それがあの男子生徒だろう。





まあ、問題はそこじゃない。





あの男子生徒がどこの神社の刻印者か、重要になる。





なんせ、それによってフライングする刻印者の相方を呼ばないといけない。




何で相方を呼ぶかって?




答えは簡単、あの男子生徒がやらかしてくる前に止めてもらうためです。




オレや安村やすむらミコが、ここは穏便になんて言っても聞かないでしょ。




なら誰の言葉なら聞くか、つまり相方です。



今年に入り神事について神社の巫女たちは、月一で会合を開いているらしく

お互いの連絡先を持っているらしいのでそれを有効活用させてもらうことにした。



後は、どこの神社の巫女さんに連絡するかになる。



それがわからんとどうにもならん。



その話はすでに念話で安村やすむらミコに伝えている。





その為には二つほど賭けに出ないといけない。




まず、賭けの一つ目。



フライング野郎が武法具を使う確率だ。



武法具が一番どの神社の者かわかりやすい、ことわりだと法術の特性とか考えて推理線といかん。

これがとてつもなく面倒だ。


出来ればそれは避けたいところだが、こればっかりは相手次第だからどうしようもない。


それが八割ほどの確率になる。



これはうまくいけば簡単に済む。



問題は、もう一つの賭け。



ノリノリで襲い掛かってくる相手を向こうの相方が来るまでよけ続けられか、になる。



それもやる気満々の相手の攻撃をよけてなきゃならん。

なら、早めに向こうの相方に来てもらわないとオレがもたない。


痛いのはいやだから、さっさと止めに来てもらいたいのだ。



よけ続ける自信なんてオレが持っとるわけがない。

実力も・・・・ない。



これは大きく見積もっても三割がいいとこだ。



これがキツイ。



本来なら《始まりの祝詞》という神事開始の合図を受けてからじゃないと刻印者同士の神事(戦い)はしてはいけない。


《始まりの祝詞》を聞く前に刻印者が武法具やことわりを使っての戦闘行為は禁止されている。



破ればフライング扱いで失格となる。



例え、正当防衛であっても認められないのだ。これが厄介。



ノリノリで襲ってくる相手に対して、こっちは制限付きで、しかも逃げることしか出来ないのだ。



だって反撃したら、こっちも失格になるから・・・・なんて理不尽な!!



調子乗りのアホの子相手に、選択肢が逃げるのみって・・・どんなクソゲーじゃあああああ!



責任者出てこいやあああ!!!!



と、叫びたくなる。



まあ、実際に叫んだらオレもアホの子の仲間入りなのだが・・・





どうせ、こちら側の言い分なんて問答無用で聞かないだろうし、

安村やすむらミコの奴は、本来神事に不参加したがってから、

フライング失格の件は、伝えてない。


伝えたら、多分生贄にされること決定だろうし・・・



味方が少ない、もうどうしたものかと考えてしまう。



こうも相談できる相手がいない上に時間もない。



なあどうするか、オレ自身がうまく立ち回るしかない。




うだうだ考えても仕方がない。


相手は待ってくれないし、そもそも逃げることが出来ない。


相手の攻撃はよけるなり、逃げないといけないのに・・・





何て矛盾、何て理不尽。



ホントに泣き言を言いながら叫び倒したいわ。




どこぞの金髪の鬼〇り君みたいに。



今ならわかる、君の叫ぶ気持ちが、ああ暴れたい叫びたい・・・でも弱みは見せられない。




涙がちょちょ切れそうだ、心の中で。



現実にやったら、ホントにアホの子認定になってしまうので・・できません。



小市民ですから、肝っ玉小っちゃいですから。

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