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アンティーククロック~復讐を目指す非常識現実生活~  作者: 団栗山玄狐
第一章 古き神事と理(ことわり)の捉え方
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act5 問題定義 四

視点は、主人公とヒロインです。

PM3:50 図書室にて




『さて、理解していただいた所で後の細かなことは場所を変えて近くの自然公園で話そうか。

人も多いころだしここで話すよりは目立たないだろ』

と、話を切り席を立つ。



『ちょっと待ってよ。こんな話だけじゃ納得できない。きちんと今話をしようよ、この資料の件も詳しく聞いてない』

安村やすむらミコが引き留めにかかる。



ん?今の状況が理解できていないのか?



『話を止めるわけじゃない、場所を変えようと言っている』



『ここでいいじゃない、はた目には静かにしているんだし問題ないでしょ』




『あのね、今度は黙ってるのに表情だけ豊かになってる君の事を怪しんで見ている人がいることに気づいてるかい?周囲をよく見た方がいい。職員さんだけじゃないよ、この図書館の利用者の人たちも変な人目線をこっちに向けてるぜ』

と、オレの言葉に慌てて周囲を見渡すと不審者を見るような視線が向けられていることに気づいたようだ。



『なんで?騒いでないのに』



『静かに向き合っているだけの二人がいる。これだけでも違和感全開でしょが、きみは自分が置かれている状況を客観的に見ることが苦手らしいね。でもこれで理解できたでしょ、場所を変えよう』




『わかったわ、準備するからちょっと待ってよ』

というと資料をおもむろにカバンになおし始める。



『一緒に行くつもりかい。能天気もいい所だね、他の刻印者に襲い掛かってくれっていているようなものだぞ。冷静に考えなよ』

と、オレが言うと


驚いた顔をして


『なんで他の刻印者が襲ってくるのよ。話が飛躍しすぎだよ』



『どこがだ、今何が起きてるか理解出来てりゃそんな言葉は言わん』

オレは冷静に答える。


オレが冷静にふるまうことで彼女も冷静さを取り戻しつつある。


『今どんな状況か、ですか?』

当事者がこれではまずいだろ。


まあ、現状をありのまま受け入れることが出来れば刻印者候補くらい準備できるか。


『刻印者たちの神事はすでに始まっている。簡単に説明してやる。新しい玩具を手に入れた子供行動を予測できるか?』

オレは、わかりやすく例をあげてみる。

説明は、例題をあげ回答させることが理解させるための最短距離だ。


求める答えにしか興味のない者は話を聞かないが、聞く気があれば話は別だ。



『そうね、すぐに遊びたくなるわね』


『新しい玩具が武法具とことわり、そして子供が刻印者になる。そう考えれば行動パターンが読みやすくなる。どういう行動を取ると思う?』


『そうね、玩具を使っても大丈夫な相手を・・・・探す』

正解だ、それがわかれば話が早い。


『当たりだ、つまり相手、他の刻印者を探すんだ。そして探す方法は簡単だ。各神社の巫女である導き手を探し後をつければいい、そうすれば刻印者にたどり着く。たとえ刻印者の事を知らなくても手っ取り早く簡単に』


『でも導き手の事がわからないじゃない』


『そうか、導き手同士のネットワークなり名簿なりがあるんじゃないか。又は導き手の会合にこっそり参加し手入れば、顔もわかるだろ』

たぶん、彼女は逃げ場が欲しいのだろう。


ホントなら抜け道の一つくらい準備してやるのだが、時間もないのでそれはしない。

彼女は思案していた。


いろいろ思い出しているのだろう。


『会合は今年の初めに第一回を開いて月毎にしているわ。それに混じっていた奴がいるって事?』


『護衛や助手の名目で堂々と参加している可能性があるわけだ。そうなれば君の顔もバレていることになる、君をつければ見えない遊び相手である刻印者にもたどり着くわけだ』


『そこまでして力を使いたがる?』



『新しい玩具を手に入れた子供行動はいつだって単純だ。その行動パターンは、図体がでかくなればなるほど歯止めがききにくくなる。普段自分を抑えて行動しているから余計に反動がでかいからな』

この言葉に思い当たる所があるのか彼女は黙る。


そして、考え込むような仕草になる。



『神社の巫女である君といる所を他の刻印者に見られると後が大変になる。

だから時間差で学校出ることにしよう。場所は念話で伝えるよ、じゃあな』

と、言うとオレは足早に図書室を後にする。


オレは、足早に学校を出て、ビカラ神社に向かう。


オレが向かう場所は、途中にある自然公園。

山一つまるごと公園に変えている場所だ、広いから多少暴れても誤魔化しやすいし、


午後五時には駐車場が封鎖されるので人が極端に減る。

ココなら最悪の可能性になった場合でも何とかなるだろう。


学校を出る前に安村やすむらミコには念話で待ち合わせ場所を連絡した。



わざわざ場所を変えた理由は、他にもある。


安村やすむらミコの後をつける人間がいるかどうかを確認するためだ。


いなければそれでいい。


いたら、それがどの刻印者かはっきりさせる必要がある。

そうしないと事態を治めることが出来なくなるからな、と考えながら待ち合わせの場所に向かった。





私は一人残された図書室で手渡された資料に視線を落とす。



何だろうこの差は、現状で混乱しているのは、私だけじゃないのはずなのに。





なのに




なのに私はただ慌てるだけで彼は冷静に状況を確認して・・・更に資料まで作って、

私何してるんだろ。




現状をあるがまま受け入れ、先を考えて居た。




落ち着かなきゃ・・・と思ってるのにただ騒いで慌てて・・・





バカみたい・・・




うん、今は落ち着こう。




そして、気持ちを切り替えて、今度こそ冷静に対処しよう。




同い年なのに冷静にふるまう彼に差をつけられたままだと悔しいし、



気持ちを落ち着けて冷静に判断できるようにしよう。



あんニャロメからの連絡で待ち合わせ場所は、帰り道にある自然公園に向かおう。



大丈夫、大丈夫。



気持ちを落ち着けるように自分に言い聞かせる。



しばらくして私は高校を後にし、自然公園に向かう。



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