表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンティーククロック~復讐を目指す非常識現実生活~  作者: 団栗山玄狐
第三章 縁を紡ぐ糸と真実を呼ぶ鐘の音
49/52

act48 連戦 場外

目の前で行われる戦いを見て思う。


普通は驚くのだろう。

他の四人はそうであるのと同じように…


でも、私にはそう見えない。

あの…戦いを見てからでは…


人が、まるでエサのように扱われる戦いで死が傍に居るような所…


そんなものは、画面から見ているだけで自分には関係無い世界の出来事だと思っていた。


でも、それは大間違いだった。

常に死は、私の傍らにいて、いつだって牙を研ぎ澄ませこちらを狙っているのだと…


自分が安全に…関係はないと目をそらしているだけなのだと…経験してしまった。


その経験が、目の前で行われる神事を茶番に見せる。

一応、神聖な神事に臨む際、導き手たる私たちは、巫女装束で立ち合うことになっている。


一応、神道の儀式でもあるから。

戦いを見つめる私たちに 薬師高校2年でバサラ神社の娘。

髪が長めのクールビューティーの言葉が似あう鳴滝ヤエがやって来た。


両手は前に重ねるようにして…ん?


何だろう?おしとやかに見えるその仕草に違和感を感じてしまう。

右手を左の念珠に重ねている…これは念話を使える常態にしている!


あれ?何でこんなことに気づけるんだろ?

アイツといると用心深くなるからかな?


まあ、いいわ。

何かを仕掛けてくるのが、見えているのが分かれば心つもりが出来るから。


「どうなってるのかしら、彼の力は。

木のことわりに何か仕掛けているのはわかるけど、

何をしかけてるのか教えていただけるかしら」

とたずねてくる。


「さあ、分かりませんよ。何を仕掛けてるのかなんて…」

正直に答えてみた。


ホントに知らないからね。

同盟の為の研修会でをしなければ、教えてもらえたんだけど…


「あら、警戒している?ここで話したからってアナタたちに不利になるわけじゃないのに」

と微笑を浮かべる鳴滝ヤエに


「残念、本当に知らないんですよ。教えてもらう予定だったんですけど、彼らとの同盟を結ぶための研修会を開いたせいで聞けなかったんで」


「割と口が堅いのですね、いい訳も準備して。ネタがばれたところで情報を伝える手段がないのに」

と、言ってきた。


まあ、なんとわかりやすく煽ってくるんだろ。

伝える手段がない?念話を出来る状態でいるのに?


ウソがお上手ですこと。


「どう思おうといいですが、ホントに知らないんですよ。

それともこちらの情報がそれほど必要なんですか?

結構ピンチなんですね、そちらの刻印者さんは」


「言うわね。そんなことないわよ、でも気になるじゃない。

私の刻印者の猛攻をしのぐあなたの刻印者の戦い方を」

微笑は、崩れない。


なんて鉄面皮、見事すぎる。


「そちらの刻印者さんは、頭がいいはずですよね。

たしか 涌井わくいユウキさんでしたっけ。

いつもテストの上位にいる方だとか…そこまで頭がいいのならこちらが何かしていても理解できるんじゃないですか」

とカマをかけてみた。


向こうは刻印者が誰かバレていないと思っているはずだ。

そのお堅い鉄面皮をはがして進ぜよう。


この言葉に微笑は驚きに変わる。

「なんで彼の名前を知っているんですか。

どうやって。いえ、違いますね。

私としたことが慌ててしまいましたね」

コホンと咳ばらいを一つついて落ち着きを取り戻そうとした。


慌ててくれた、なんか楽しいかも。


「このネタは、提供してもいいですよヤエさん。

この戦いに勝てたのなら」


「まるで私たちが勝てないみたいな言い方ですね」


「そう聞こえましたか、そんなつもりもなかったんですが」

と、私とヤエさんが笑顔で向き合いながら、黒いものを纏う。


それを見ていた四人は思った。


怖い、と。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ