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アンティーククロック~復讐を目指す非常識現実生活~  作者: 団栗山玄狐
第三章 縁を紡ぐ糸と真実を呼ぶ鐘の音
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act43 言い争い



四人が帰ったあと、安村と神楽殿で片づけている。

ただ、彼女の機嫌が悪い。


何かしたか?と思いながらも片づけをする。


そこのオレの正面に座る安村。

「久野」

明らかに機嫌が悪い。ふくれっ面である。


「どうした?」

何事か、と尋ねる。


「せっかくのお膳立てをぶっ壊すのやめてくれる?

ヒビキのとこときちんと話をまとめたのに

結局ケンカ腰になってるじゃない!」

両手をフローリングに叩きつける。


「でもな、アレは完全に向こうが仕掛けてきてるんだよ。

アイツらだけならかわしようがあるがもう一組いたからな。

しかも対戦相手として、向こうからすればこっちとも対戦しろよ、

ってことになる。断るとさらにややこしくなる。

仕方なかったんだよ」

えーと、言い訳をしてみる。


厳しい言い方で。



「それでもよ!もっと言い方があるじゃない!

あれじゃ敵対行動してるのと同じでしょうが!」

最初に会った時のことを思い出してしまう。

こんな感じだっけか。



「どう答えても同じだよ。宇崎の奴は元々絡んで来るつもりだったんだ。

どう言い方を工夫しても、あいつはケンカを吹っかけてくる。

だから、無駄な手間を減らしたんだ」

冷静に端的に答える。



「それでもよ!ヒビキが凹んでたじゃない!

同盟なんでしょ!仲間の女の子を泣かせてどうすんのよ!」

それを気にしているのか、仕方ないな。



「構わんよ、同盟と言っても神事ではライバルになる。

そこまで気を使うつもりはない。

ただでさえ、お前みたいなはねっ返りに気を使わないといけないんだ。

それ以外に労力を使いたくない」

おっ反応したな。

自覚はあるようだ。



「そっ、そのくらいしてよ、私には大切な幼馴染の一人なんですからね」

と、突然しょげ始める。


情緒が激しいな。


少し嘆息して、


「悪かった、配慮が足らなかったよ。

次からは気を付ける」

と、言って頭を撫でてやる。


するとなぜか安村の耳が紅くなり、

更に俯く。



「わっ、分かったのならいいわよ」

と、言って立ち上がり、そそくさと神楽殿を出て行った。


何だ、あいつ。

そう思いながらも片づけを済まし、神楽殿を出る。

ジイさんの道場の方に向かう。


訓練は欠かさずやらないと身につかんからね。




その様子を物陰から見ていた人間が三人。

「もう、何?青春真っ盛りじゃない。

我が子ながら甘酸っぱいわ~」

と、安村母は嬉しそうにリアクションをとる。


「ねえ、母さんおやつ」

「覗き見は良くなよ~」

と、安村弟、妹は我関せず。


安村家は通常運転である。



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