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アンティーククロック~復讐を目指す非常識現実生活~  作者: 団栗山玄狐
第三章 縁を紡ぐ糸と真実を呼ぶ鐘の音
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act39 古文書



博物館に収められている古文書は、現代文に訳されネットにも挙げられている。

その内容の一部と言うか、刻印者の神事に関連している

と思われる個所が以下の文面だ。



常世の神獣が、この地を蹂躙する。


その獣は、英雄により倒され、力の根源たる剣は持ち去られる。


が、獣は現世に広がる穢れと不浄をウチに取り込み

動き出そうとする。


月の化身が獣の八つの頭を勾玉に封じ、体を泉に封じ込めた。

だが、その体は力が強く、確実に封じきれない。


その為、勾玉に封じた頭を使い、反転の秘術で体を封じ込めた。


月の化身は、「現世の穢れと不浄は、この獣に力を与える。だが、この獣の秘術である反転により穢れと不浄は、獣を封じる力となる」といい、その地を去る。


その後、獣は幾度となく封じられた地から抜け出ることを試みる。

戦を起し、宗で人を惑わし、疫病を広げる。


そのことに気づいた慈愛と憤怒の神は、

付き従う八人の童を使い八つの勾玉をそれぞれ要石で封じ直し、十二の将で力で現世の穢れと不浄を清める。

さらに慈愛と憤怒の神の剣を体の封印に突き立て、力を得ようとすることを抑える。


だが、それでもあふれる現世の穢れと不浄を元からある反転の封陣を使い、清めようとする。


その為に十二の将に選ばれし、刻印を持つ者を競わせ、

願いで清めることに成功する。

そして、その伝承を伝えるために導く者を選び出し、社を構え繋げるさせる。


導く者は、たとえ言葉を乱されても伝承の伝え続けることができるよう計らい、

獣は現世より姿を消す。


だが、

「現世の穢れと不浄がある限り、我は現世に舞い戻る。そして八つの鍵となり、常世を開き、現世と常世を反転させようぞ」

と獣は残す。


「封陣の力は年に一度光の柱として浮かび上がらせ、顕在させる。

そして、力弱まれしとき、十二の将の選びし、刻印持ちし者たちを競わせ、現世の穢れと不浄を清めさせよう」

と、慈愛と憤怒の神は言い残しこの地を去る。


そのたびにことわりと器を貸し与えられた刻印受けし者たちが競う。


時には、毘羯羅(びから)が、武法輪を持ち、数多くの軍勢を率いる

時には、招杜羅(しゃとら)が、錫杖を振り、札を使い諫める

時には、真達羅(しんだら)が、真威剣を掲げ、雷鳴轟かせ、走ける

時には、摩虎羅(まこら)が、六鐘鈴を鳴らし、音を響かせ諍いを鎮め警告する

時には、波夷羅(はいら)が、三叉戟を振るい、水を鎮めるように断ち切る

時には、因陀羅(いんだら)が、薬壺を持ち、薬をふるまい、毒をまき散らす

時には、珊底羅(さんてら)が、霊仙斧を掲げ、大地を切り開く

時には、頞儞羅(あんにら)が、羂索を広げ、風を探る

時には、安底羅(あんてら)が、独鈷杵を持ち、火を操り、灰となす

時には、迷企羅(めきら)が、宝珠を見て、言霊を操る。

時には、伐折羅(ばさら)が、梓弓を引き、木々とともに民を護る

時には、宮毘羅(くびら)が、金剛杵を振り、金を使い守護の盾となる


刻印受けし者たちは、刻印に刻まれし、ことわりと器を使い

穢れと不浄お鎮め、清める。



十二の導く者たちは、刻と方位を使い土地を守護し、

光の柱を見守り、失わさんとするために見張ることのできる高台に

社を構え、土地に根付く。



光の御柱伝承より

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