表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンティーククロック~復讐を目指す非常識現実生活~  作者: 団栗山玄狐
第三章 縁を紡ぐ糸と真実を呼ぶ鐘の音
36/52

act35 刻印者と導き手の気まずい会合 三


彼らは、情報交換を開始する。

と、言ってもほぼマコト主導で行われる。


彼は、不器用くそ真面目の合理主義者。


要は、融通の利かない頑固者である。


それゆえに初志貫徹が、モットーになってはいるが、

状況に合わせた臨機応変もする。


割とハイスペックなのだ。

本人は、レベルが低いと思っているが…


話はそれたが、

お互いに相談された内容を精査する。


そして、


「ウサギには条件を出してくれ。オレがヒツジに出したものと同じでいい。

それとさっき話した刻印者とことわり武器にかんしての情報もあると

伝えてくれてかまわない」


「でもさ、それでヒビキ信じるかな?」

と考え込むミコ。


その姿を見て一計を浮かべるマコトは、

「なら、向こうを信じさせるネタを提供しよう…」

と耳打ちする。


「そ、それ本当?彼がウサギの刻印者なの?ヒビキはそんなそぶりもなかったんだけど!むしろ接点なんてないよ、いつ?どこで?」

と、うろたえるミコに


「そんなことは知らん。信じられないなら証拠を見せようか?」

と、提案するマコトに


「そうだ、何で知ってるのか私も知るたい!」

前のめりになるミコ。


「そんなに気にする事でもないんだがな…いずれバレる事だし…とっ」

言いながらカバンからノートパソコンを出し準備する。


モニターにアプリケーションソフトを起動させるとそれをミコに見るように勧める。


勧められるままモニターを見るとそこには鳥居があり、その向こうには町の湖が見える。何かのカメラからの映像だ。


人が動いてい日付と時間も表示されている。

今、現在の映像である。


「これ何なの?ウチの鳥居から見える景色に見えるけど…」

と、画面を指さし、マコトを見る。


「これは、ライブカメラっていうやつだ。役所とかが観光事業の一環で名所なんかに設置して現状がわかるように後悔している映像だ。今見ているところはこの神社に設置されているライブカメラとつなげている」

説明されてミコには、疑問符が頭に残る。


「これが何?ただの観光案内用の映像でしょ」


「そうだ、その通りだよ。で、本題。このカメラの記録はだいたい一週間単位で削除され入れ替えられるんだけど、ある日の映像は一年間残される」


「ある日の映像?なに?」

察しの悪いミコに少し嘆息してマコトは話を続ける。


「光の御柱ヒカリノミハシラが出た日だよ。観光名所の一つだからね」

と言うとその日の映像を映す。


そこにはミコとマコトが言い争う姿と、何もないのになぜかまぶしがる姿が映る。

「え~!!あの時の映像だ!!」

驚いていたミコを置き去りに

マコトは話を進める。


「ちなみにこの映像はビカラ神社の物だが、他の神社の映像もある。

つまりライブカメラに気が付いて

刻印の儀があった時の映像を確認すれば秘匿だアドバンテージだと

言っている情報が容易に手に入るわけだ。それに現在の情報もライブで手に入る。

この意味わかるよな」


「そうか、今相手がその場所にいるかわかるんだ。

確認してから動いても間に合うんだ。でもずるくないコレ」


「なにがだ?コレは公開されている情報だ。

気づくか気づかないかの違いでしかない。

それにこの映像を見た人間が学校に居れば噂なんてすぐに広がる。

それまでの情報だ」


「…なんか盲点だった。あのカメラの事なんて考えもしなかったよ」


「普段から当たり前になっているからな安村の場合。

当たり前を疑うことなんてしない。

だからこそ、簡単に足元をすくわれるわけだ」

と、解説するマコトを感心するように見るミコ。


いつも光景すぎて見落としがちな所であるにもかかわらず

それを見落とさないことに素直にすごいと感じていた。


「あの光が映ってないのは、当事者にしかわからない現象だったてこと?」

光の御柱から各神社に向かって伸びる光が映っていないことに疑問を感じた。


「そうだな、あの光は心霊現象に近いからかもしれない。物理現象じゃないのかもな」


「ふーん、そんな感じか~。確かにあの光が映ってたらもっと大騒ぎになってるよね」


「そうだな、観光協会なんて大騒ぎだろうよ、何事だってね」

と、少年の笑顔を向けてきた。


そ、そいうとこだぞ。ギャップがひどすぎる。

なんか、可愛くなってくる。


持ち直そうと私は話を変える。


「でもこれなら私の持ち札としては十分だね。

話し合いはこれで何とかなるとして…

どこかで集まれるようにする?」


「そうだな、それは向こうの返事次第だ。その後で話そうか」


「了解」

と優しい目を向けるミコであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ