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アンティーククロック~復讐を目指す非常識現実生活~  作者: 団栗山玄狐
第三章 縁を紡ぐ糸と真実を呼ぶ鐘の音
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act32 導き手に不満の音が降り注ぐ



さて、マコトがひつじの刻印者と話し合いをしている時に別の場所で

安村ミコも同じような状況に遭遇していた。



場所は、図書館の屋上。

市民公園になっている場所である。


そこの休憩できる場所でミコは、座りこけていた。

椅子の背もたれに体重をかけ、空を見上げている。


『あ~、これで私も久野と婚約か~。

最初に話すつもりだったのになんか延び延びになったんだよね。

なんか無表情で高圧的で気に入らないと思ってたんだけど…

ここ数日でなんかイメージ変わったな~。

ただ単に不器用でまっすぐで…ちょっと可愛いところもあって…』

なんて考えていた。


その彼女に

「待たせたわね…顔紅いけど大丈夫?体調悪いなら火を改めようか?」

と、彼女の同級生で岡崎ヒビキがミコの顔を覗き込むように話しかけてきた。


岡崎ヒビキは、短髪でボーイッシュな感じの女の子だ。


その指摘にミコは、慌てて姿勢を正す。

「大丈夫よ、それで相談て何?」

平静を取り戻そうとするが、明らかに挙動不審である。


「それならいいけど…さ」

と言うとミコと机を挟み対面するように座る。


そして、

「神事…刻印者の戦いについてだけどいい?」

周りに人がいないことを確認して、岡崎ヒビキは話をきりだした。


「いいけど…どうしたの?」

その言葉に意を決して


「あのさ、ウチの刻印者とキミの刻印者で神事をしてもらいたいの」


刻印者同士の神事…つまりは戦ってほしいとの打診であった。


「ん、でもそれはウチの刻印者と相談になるけどいい?」


「構わないわ」

体を机に乗り出してきた。


「でも、ヒビキの所って初戦がまだなの?」

手でヒビキを制し落ち着かせる。


「ん、そうなの相手の所に乗り込んだら、その相手がいなかったの。

その後もあちこち行ったんだけどつかまらなくて…」

言いながら俯き加減になるヒビキ。


「神社で待ち構えればいいじゃない。マコラ神社でしょ、結構みんなバカにしてたじゃない。ウサギごときって」


「そうなんだけど…あの導き手の集会の時みんな結構好戦的だったじゃない?

あんまりそういう人たちとは関わりあいになりたくないな…とか」

少年ポイ見た目の割に奥手さを見せるヒビキに


「だから、私の所に来たわけか。勝てるつもり?」

頬杖をついていたずらっ子の笑みを浮かべる。


「そんなつもりはないよ、ただ引き分けてもらえればいい」


「考えて置くしかできないよ。私も相手に相談しないといけないし、ヒビキにとっていい返事ができとも限らない」


「他の導き手にも相談は持ちかけてるけど、いい返事もらえなくて…お願い!」


「いいけどさ、こんなお願いされるとは思わなかったよ」


「私だって思わなかったよ、初戦なんてすぐに終わるもんだと思ってた」


「私なんて巻き込まれまくってるわよ。予想外ってこんなにも怒涛に来るのかってくらいに」

しみじみ言うミコに


「…なんか大変そうだね」

その返しにミコの不満が爆発。

それに伴い、ヒビキも今までのため込んだ不満が爆発し、


彼女たちの不満暴露合戦に突入することになった。


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