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アンティーククロック~復讐を目指す非常識現実生活~  作者: 団栗山玄狐
第三章 縁を紡ぐ糸と真実を呼ぶ鐘の音
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act30 糸は伸び縁を繋ぐ

あけましておめでとうございます。

今年はヘビ年、ぬるっと新章開幕です。





月曜の学校でいつもの日常を満喫し、

部活にも精をだして…と言ってもただの趣味人達の息抜きの場になっているので

遊びもいいところだ。


相方である安村は、早々に帰宅して実家のお仕事だそうだ。

何をしているかというと社務所の店番だそうだ。


で、オレはというと学校から出て相方の神社に向かう。


なぜか、彼女の祖父に気にいられ「我が家に伝わる武術を伝授してやる」と、

鼻息猛る言い方でほぼ無理やり修行となってしまった。


オレとしても戦う手段が乏しかったので渡りに船なのだが、修行の合間に

「孫とはどこまで進んだ」「風呂での鉢合わせとかせんのか」などと

孫を大事にしている割には、言うことが何だろう?

とても大事にしているように聞こえない。


まあ、そんな感じで修行をしている。

そこに向かう際、自然公園の前を通るのだが、ここはフライングアタックを食らった場所でもあり、いい思い出がない。


なんて考えているとその入り口でこちらを見る男子学生がいた。

何だろうか、デジャヴというものなのだろうか。


それにまたか、とも思う。

なんせ、このパターン以前に同じようなことなかったか。

まさかね。


でも、この男子学生には見覚えがある

確かひつじの刻印者じゃなかったかな。


神事のことを調べているうちに

刻印者と導き手全員の顔と名前を知ることができた。

方法も簡単だった。


安村が言うには、刻印者のことを秘匿することが神事にとって重要だと言っていたが、あまり効果が無いと思う。


こういうものは、知らないだろうと思っている相手に知っているぞ、

と言う方が効果的だと思う。

不意打ち的な意味で。


心理的優位に立てると思えるからだ。

マウントを取りたいわけじゃない。


ただ、話しやすくするためだと思っている。

なんて考えていると、件の男子学生がこちらを見据えながら歩いてくる。

さて要件は何かな…と思っても話は決まっているだろうが…ね。


「お前、ネズミだろ。話がある」

と言ってきた。

男子学生は、幼さが残るが視線は強く刺さってきた。


確信をもって言ってきているのはわかるけど…

ネズミって…言い方!


警戒しつつ

「何がネズミ何です。意味が分かりませんが…」

とぼけてみる。


相手の出方を見ないと、また、場外乱闘は嫌だからね。


「ごまかすな、お前がネズミの刻印者だってわかっているんだ」

いら立ちを見せる。


そう出るか、そう出るよな。


まともに答えるか。

「そういうことですか、覗き見していたひつじさんが何しに来たんですか?

いや、その言い方はひどいか…伏見ふしみヒロさん」

と、名前を呼ぶ。


そのことの驚きを隠せないでいる。


そうでしょう、そうでしょう。

不意打ちは強力ですからね。


安村家に不意打ち食らった時も大変でした。


「な、なんで。それより覗き見していたことに気づいていたのか。

いや、あの時は方位鎧を着ていたはずだ。なのに…何で…名前までわかる」

狼狽ぶりがひどいな。


もっと平静を装わないと、無理か。

オレも出来なんだ。



「その疑問に答える気はないよ。それより何の用なんだ、このネズミに」

無理やり話を引き戻した。

手のウチを聞かれて答えるほど、お優しい性格ではない。


自分でもわかるくらいひねくれているからね。


その言葉に最初の思いに立ち戻ったのか

「そうだ、お前に話があったんだ」

と、言い始めた。


なんてちょろいんだ、なんて失礼なことを考えてしまった。


オレは、話がしたいという彼を連れだって公園のベンチにいざなう。


刻印者同士の奇妙な場外乱闘?


舌戦?駆け引き?



この話し合いが何をもたらしてくれるのやら。



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