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アンティーククロック~復讐を目指す非常識現実生活~  作者: 団栗山玄狐
第一章 古き神事と理(ことわり)の捉え方
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act14 奉納神事 神武天 激突!亥vs子1

主人公視点です。




AM4:00 ビカラ神社にて



境内中央にオレは立ち、神社の入り口にいる二人を見据える。



空気を換えたのがまずかったのか。


軽く真剣になっただけなんだが、警戒されてしまったようだ。

加減が難しいな、ホント。




「ふん、強気だな。

あの時何て半分の力出してないのに調子に乗るなよ。

逃げるのは十八番のオマエはよけれて当然なんじゃないの。

足ずり小僧がよ。

啖呵切るなんてなめてんのか」

見た目とは違い、安いケンカの売り方だ。



見た目がイカツク化け物扱いされていたんだから、

それに合わせても問題ないだろう、なんて思ってしまう。



でも、中身は学生で周囲にもてはやされて自信がみなぎるとそうもいかんか。

過剰気味ではあるが・・・



それよりも、


「足ずり小僧か。へえ、知ってんだオレの事。

アンタみたいな有名人が歯牙にもかける相手とは思わなかったけど・・・」



「そうだな、ここ一番手時に足がつって引きずる役立たず。オレに比べれば相手にもならないな、オレから逃げる時もそれやってくれれば、オレもラクだったんだけどな」

イノシシの口角が上がる。


おお、悪役一直線だ。

言葉と相まって見事な相乗効果を発揮してるよ、先輩。



「アンタも、いや。先輩もこんなところに来てないで素振りでもしたらいいでしょ。

学校期待のスラッガー、青田ケンジ先輩」

オレの一個上の先輩で野球部期待の星。

結構な有名人だ。



今年こそは甲子園間違いなしとまで言われている。

なのに暴力沙汰を起こそうとするとこは、考えが安直だと言えるけど。



「ほう、知ってんのか。オレの事、この姿でよくわかったな」


「あのさ、先輩。野球はうまくても頭悪いね。昼間普段の姿で襲ってきたでしょうが。

忘れてるの?」

呆れるようにオレが言うと



「そういやそうだな。そんな些細なこと忘れてたぜ。

それともオレが余りにもイケメンだったから印象が残ったのか?

サインはやらんぜ」

と言うと今の体に合わせたサイズの棍棒を出す。


冗談のつもりなんだろうか、誰が自分に襲い掛かってきた相手のサインが欲しい?

それに、現在の見た目が、化け物だ。


2mの大男でイノシシ顔、丸みの帯びた仏像が着ているような鎧を身に着けている相手に

対してまず、近寄らんだろ。


そこにサインですか?その姿でイケメンですか?笑えん冗談だ。



「声と今持っている武器でわかるでしょう、普通。

あの時襲い掛かってきた人間だって、役立たずだけどバカじゃないんで」

オレには慌てる必要はない。

ただ、静かに見据え、現状をあるがまま理解するだけだ。



「役立たずでもわかるだろ、お前がオレに勝てる可能性何て無いのを。

お前が手に入れたことわりの法術は数を増やしたり減らしたりするだけだよな。

笑えるぜ、役立たずが役に立たない力を手に入れたわけだもんな。

所詮モブはモブだな、オレの引き立て役になってくれよ」

そういうとオレの前に立つ。



その瞬間、

《子と亥の刻印者が同意したとみなします。

これより奉納神事 神武天 を許可いたします。

双方、悔いの無きよう力の限り戦ってください》

と、先ほどの司会アナウンスが響く。



なるほど、刻印者同士が正対すると神事に同意したことになるわけか。

説明が足りないよな、いくら時代が商品に説明書を付けなくなってきたとは、このくらいの説明は欲しいよ。


報連相くらいは基本だと思いますが・・・オレはやらんけど。



「今度はきちんと許可も出た。さあ、始めるか。

この間みたいにはいかんぞ、役立たず。

いや、オレのために役に立つんだからその名はふさわしくないな」


「そうですか。ここまで来て逃げるわけにはいきませんね、着ぐるみ先輩。

アンタがオレよりも強いことを証明してくださいよ」



「そんな煽りに意味なんてあるのか?俺の勝ちが確定しているのに」



「どうでしょ、どんな時でも始めなきゃわからないしフタを開けてみないとわからない事も多いですよ」


「そうかい」

青田は凶悪な笑みを浮かべる。


イノシシ面だから凶悪さが引き立つ。



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