表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/27

お買い得な理由

 こまかい説明せつめい省略カットする。


 なんやかんやで、おれはゲームの世界に転生てんせいしたらしい。


 目の前には店がある。所持金しょじきんがいくらかあることだし、ここで武器ぶき防具ぼうぐをそろえようかな。


 さっそく店の中に入るおれ


 入ってすぐのたなかざってある商品アイテムを見ておどろいた。


 やすい! 今の所持金しょじきんで、『マキシマム・ソード』と『マキシマム・フルアーマー』が買えちゃうのだ。名前や見た目からして、かなりつよ装備そうびっぽい。


 さすがにあやしいので、試着しちゃくさせてもらう。


 うーむ、どうも本物ほんもののようだ。


 なぜやすいのかをうたがっていると、店主がおしえてくれる。


「こういうものは、あまり売れなくてね」


 なるほど。たしかに、この装備そうびは見た目が無骨ぶこつすぎるし、かなりおもい。


 この店にはいていないようだが、おなじくらいの性能スペックで、かっこよくてかる装備そうびが他にあるのなら、普通ふつうはそっちを買うだろう。


 しかし、おれはまだしの冒険者ぼうけんしゃだ。最初さいしょはこれでいい。


 所持金しょじきんのほとんどを使ってしまったが、こういう「転生てんせいもの」のお約束やくそくっている。『ギルド』に行って依頼いらいければ、それでかねが手に入るはずだ。


 装備そうびととのえて、笑顔えがおで店を出るおれ


 数分後になって、大きなちがいに気づく。


「このゲームって、RPGじゃなかったのかよ!」


 野球ゲームだったようだ。


 スポーツショップに入ったおれ絶望ぜつぼうする。


 この世界でがるためには、野球道具が必要ひつようらしいのだが、


「バットがたかすぎる!」


 今の所持金しょじきんでは、バットどころか、ボールを買うことさえできない。


 最初さいしょ所持金しょじきんがあれば、バットやグローブなど、最低限さいていげんのものをひととおり買いそろえることができたのに・・・・・・。


 おれは『ギルド』に行ってみる。


 掲示板けいじばんの前でしばらくさがしてみたが、くさ野球やきゅうすけとか、そういう依頼いらいばかりだ。モンスター退治たいじなんて一つもない!


 この世界において、『マキシマム・ソード』と『マキシマム・フルアーマー』は、ただのコスプレアイテムだったとは・・・・・・。


 どうりでやすいはずだ。


 さらに、こまったことがある。どこの店に行っても、『マキシマム・ソード』と『マキシマム・フルアーマー』の買い取りにおうじてくれないのだ。


「どうするんだよ、おれ!」


 ふたたびスポーツショップにもどってくる。


 店員さんにいたはなしだと、「野球道具を装備そうびしないと、野球やきゅう関連かんれん能力パラメーターはほとんどがらない」らしい。ぐぬぬぬ。


 今のおれに買うことができるのは・・・・・・。


「この世界に『なわとび』でも流行はやらせるか」


 やけくそに言ってみた。前途ぜんと多難たなんである。


次回は「ドーム球場」のお話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ