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付箋  作者: 日浦海里
4/5

4枚目 返信

毎日をどきどきしながら過ごしていたある日

自分の机に貼ってあったあの付箋に

もう一枚の付箋があることに気がついた


それは私が参考書に挟んだあの付箋だった


付箋の文字に気づいてないなら

戻ってくることはないだろうから

気づいた上で戻ってきていて

それはつまりそういうことなんだ


加賀見くんの席を振り向きたくなる

その衝動を抑えながら

泣き出したくて溢れ出しそうな

その感情を抑えながら

それ以上は見ないようにと

付箋を手帳に挟み込んで

机の引き出しに仕舞おうとした時

ふと何かの違和感を感じて

一度大きく深呼吸をして

さっきの付箋をもう一度取り出す


気づきにくくするように、と

小さく小さく書いた文字

ちょっと見ただけじゃ

なんとか判別出来る程度の

そんな小さな文字だから

最初に付箋を見た時は

同じ形の文字があると

ただ、それだけしか見なかった

けれど「スキ」の「キ」の字の横棒一つが

矢印のようになっていて

だけど矢印の先といえば

付箋の切れ目だけしかなくて

さっきの悲しみもどこかに消えて

少し呆然と付箋を眺めてしまう


そして突然の閃きと共に

付箋を裏返してみると

矢印の先に当たる場所に

「スキ」の文字より小さな文字で

単語が一つ書かれてた


「Y2」


最初は文字が入ってこなくて

次は意味に繋がらなくて

最後は気持ちと重ならなくて

ただ無意識に手帳を開いて

彼に貰った付箋の下に

綺麗に並べて貼付けていた

最後までお読みいただきありがとうございます


Y2は、英語の略語です。

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