4枚目 返信
毎日をどきどきしながら過ごしていたある日
自分の机に貼ってあったあの付箋に
もう一枚の付箋があることに気がついた
それは私が参考書に挟んだあの付箋だった
付箋の文字に気づいてないなら
戻ってくることはないだろうから
気づいた上で戻ってきていて
それはつまりそういうことなんだ
加賀見くんの席を振り向きたくなる
その衝動を抑えながら
泣き出したくて溢れ出しそうな
その感情を抑えながら
それ以上は見ないようにと
付箋を手帳に挟み込んで
机の引き出しに仕舞おうとした時
ふと何かの違和感を感じて
一度大きく深呼吸をして
さっきの付箋をもう一度取り出す
気づきにくくするように、と
小さく小さく書いた文字
ちょっと見ただけじゃ
なんとか判別出来る程度の
そんな小さな文字だから
最初に付箋を見た時は
同じ形の文字があると
ただ、それだけしか見なかった
けれど「スキ」の「キ」の字の横棒一つが
矢印のようになっていて
だけど矢印の先といえば
付箋の切れ目だけしかなくて
さっきの悲しみもどこかに消えて
少し呆然と付箋を眺めてしまう
そして突然の閃きと共に
付箋を裏返してみると
矢印の先に当たる場所に
「スキ」の文字より小さな文字で
単語が一つ書かれてた
「Y2」
最初は文字が入ってこなくて
次は意味に繋がらなくて
最後は気持ちと重ならなくて
ただ無意識に手帳を開いて
彼に貰った付箋の下に
綺麗に並べて貼付けていた
最後までお読みいただきありがとうございます
Y2は、英語の略語です。