第14話〜作戦続行不可能 2
かなり短いですが、作者がこのままだと全然投稿しないことが分かったので、ちょくちょく投稿していきます。
それでは、どうぞ。
虫けらを見るかのような蔑んだ目。感情が一切乗っていない冷酷な声音。そして、『所有物』という独特な表現。
俺は美香のそれによって新たな性癖を目覚めさせ───ようとしたところで、正面にいたニーナの『凝視』という精神兵器で現実に引き戻された。一瞬赤らめいた顔が一気に冷めてひきつっていく。
正直言って助かったが、そのまま流れに身を任せる選択肢も悪くなかったと思っている自分がい────あ、うそです。まじ、ごめんなさい。
何を察知したのか、再びニーナが俺のことを冷たい目で見つめてきた。今の邪な気持ちは顔には出していないはず。読心スキルでも持っているのか?俺は少しおののいた。
「あれぇー?堕ちなかったんだぁー、ワンちゃん。すごいよー。すごい、すごい。誉めてあげるー」
ワン・・・うん、聞かなかったことにしようか。というか、誉められてる?もう、何がなんだが・・・・・・理解したくない。できない。テンション高いし。訳が分からん。
「ニーナに手助けしてもらったとはいえ、私の闇魔法《魅了》を破るなんて・・・・あっ、でもーということはニーナがすごいのかー。へー────────邪魔だなっ」
────美香が不適に笑った。と同時の一瞬の出来事だった。
「え?」
その場にいる美香以外の誰もからその言葉が漏れた。
「カハッ!・・・アァァ・・ァァ・・ミ・・カ・・」
突然だった。視認出来なかった。
「ウフフフフ・・・」
唐突だった。認めたくなかった。
「アハハハハハハハハハ・・・」
あまりにも、信じたくなかった。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハ───」
その瞬間、一瞬でニーナの前に移動した美香はその右手で彼女の腹を貫いた。
「まじ最高。ほんと最高。これで・・・これで・・・邪魔者は消えたよね?お兄ちゃん」
そう言ってこちらを振り向いた美香の顔には返り血と無邪気な笑顔がこびりついていた。
嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。
突然すぎる展開に、俺は自身の思考を否定した(い)。目の前の事実を否定した(い)。
ニーナが死ぬなんて。貫かれるなんて。美香が殺すなんて。貫くなんて。
俺は信じない。認めない。これは、夢だ。悪い夢だ。偽物だ。
そう信じて、俺は自分を騙(すことに)した。
次の話も少ししたら出します。
多分短いです。
許してください。