-4歳 つまりフライング気味に始まる11歳の私と魔法の話
予定通りにリカの話に戻ってきました。
投稿方法がよく分かっていなかったので、適当に投稿していましたが多分これからは0時更新になると思います。ストック切れそうですけど何か?
やっと、この場に、当て馬☆降☆臨☆
私はそうと気づいてからやっと一年。
今の時点で4年後に来るだろうヒロインちゃんに、会いたくて震えそうです。
ソーシャルゲームの背景そのものの学園の姿を感動とともに眺め、うんうんと感慨深く頷いた。
私と同じ紺色の詰襟のシンプルなワンピースに首元に通してつける色違いの細いリボン、肩を隠すようなデザインの灰色のボレロを合わせた少女たちと、
兄と同じく紺色のジャケットに灰色のズボンを履いて、やっぱりタイは学年で色が違う少年たちがが続々と門に集まっているのを見つめ、内心のニヤニヤが止まらない。
なにこれ。やばい!ゲーム感が溢れてる!
銀髪に灰色のボレロとか髪と服の境目が微妙じゃないのー?
と、制服を見てブーブー文句いったのはこの際忘れる!
やばい、かーわーいー❤
私が、子供じゃなかったら不審者極まりない目つきできょろきょろと周囲を見回して感動に打ちひしがれていれば、そんな私はやっぱりどこまでいっても不審なのか様々な視線を向けられている事に気づいて慌てて顔を引き締める。
はいはい。私は悪役☆
悪役令嬢でございますことよ。おほほ。ごめんあそばせェ☆
悪役令嬢の嗜みとして縦ロールをしようとしたら、さらさらで真っすぐの髪質のせいで絡まるし爆発するし、そのくせすぐに元に戻っちゃうし(中途半端にヨレヨレになった)だったらとワックスでガッチガチに固めたら今度は破壊力が強すぎて新調したばっかの制服に穴が開きそうになった所で侍女の泣き声で我に返って諦めて背中に流している。
ごめんて。
『もうお止め下さいお嬢様あああ。御髪が、大変な事になっておりますから!!』
土台(頭)に針金を仕込もうとか、もうやらないから許してよ。
ほんと、ごめんて。
昨晩のためまだ生々しく耳の奥の方に残っている侍女たちの悲痛な叫びを思い出して、私はぶるりと体を震わせる。
あ、あれは何をしてもそれなりに傍観(なまあたたかい目って兄は言う)してくれている、侍女たちの心からの叫びだから心にズシンとくるやつだったわー。
脳内イメージでは鼻をこすっている状態かーらーのー。ちぇっ、いいパンチ持ってるぜ☆侍女さんよ☆
しかし、私はくじけない。
泣くのは嫌だから、髪質に合った方法を考えよう。
ま、まだ完全にあきらめた訳じゃないんだからね!
様式美というのは大事だ。うん。…たぶんね(涙声)
「どうしたの?リカ。まだ寒い?」
北の大地に揉まれた私に兄が柔らかくそう言うと、馬車から降りた時に肩から落ちた髪を掬って背中に払ってくれる。
いちいち、こんなことをやらなきゃなんないなんて、乙女ゲームの攻略対象者って大変な業を背負ってるよね。
うんうん、えらいねーたいへんだねー。
この程度の寒さで、この私が震えるわけがなかろう。
知ってる癖に言ってるなこれは。
髪に触れてなんか不思議そうな顔をしている兄に、昨日の愚行を教えるわけにはいかない。
家に帰るまでもなくこの場で指をさして大爆笑されるに決まってるからだ。
この兄は絶対にやる。絶対にやるぞ、この兄は。
大事なことなので倒置法を使ってまで二回考えながら、絶対にばれるものかと心に決める。
侍女たちにも、これ以上やらない代わりにしっかりと口止めをしてあるから兄のイケメンオーラに脱落する侍女がいなければ大丈夫の筈!
信じてるよ!信じてるからね!侍女たち!(涙目)
でも脱落しても大丈夫だよ!君らは優秀だからね!(涙目)だいすきだよう(涙目)
「……ええ。
暖かくなったと思っても、まだまだ風は冷たいみたいね」
にこりと令嬢らしい令嬢らしく微笑んで言えば、兄は何かに気付いたのか、奇妙な顔をして私を見ているけど、私は知らない。知らないったら知らない!
私に言うな。私を見るなああ。
せっかくの華々しい初等デビューを狙っていた私の失敗が触っただけでバレるとかそんなのないから!!ないから!!(涙)
それよりも、兄よ、あんたもいつもより乱れた髪だから(私のせいだけど)
私のスタイリング(いいように言いすぎ)のお陰で、いつもよりちょっとワイルド(笑)だから❤
ああああ!むかつく!なんなのこのロールキャベツ!
くっそむかつくわー。イケメンめ。なにやっても無造作か。素材で勝負か!
爆発しろ。女子に囲まれて、まごまごしてろ(呪い)
私に対する不審者を見るような目と、兄に対する『はあと❤』の視線の落差にがっくりと肩を落として差し出された兄の手を取ると、何故だか『きゃあ』と悲鳴のような声が上がる。
いや、これ私の血のつながった実の兄だから。
よく見てみなよ、私ら双子かよってレベルでそっくりだから(現在時点)
大丈夫だよ、お嬢さんがた。
私、無関係だから。
ね?ね?イジメとかほんとやめてね。
コミュ障でシスコンという病を患った残念な兄だけど、金持った有望なイケメンだから許してあげてね☆
愛の力(笑)で癒して、完治させてあげてね?(希望)
「にいさまが大人気のようで。嬉しいわ」
にっこりと笑って、この人の妹ですよアピール。
将来の嫁候補のライバルとかではないですよー。と、アピール。
そもそも、兄と一緒にいるから余計に目立つんじゃないの?
と、思い直して手を振りほどこうとするが、がっちりと掴まれたままで離れる様子がない。
うん、手、放そうか。
あー…ガツガツ来られるんだっけ?たいへんだね☆兄よ。うん、がんばって。
「にいさま……。痛い(さっさと放せ。この野郎!)」
「少し手を握っただけで…ごめん。リカ」
演技をする神妙な顔つきでしおらしい口調でそういう兄の目の奥が笑っていて、全くもって見抜かれてるのが分かる。
むむ、兄よお前も役者だな。
手を離したら即、お嬢様がたが周りを囲んだりしちゃうんでしょ。
あーはいはい。うらやましいねー(棒読み)
「あ、あのっ、リカルダ様!おはようございます!」
私と兄の無言の攻防戦に終止符を打ったのは、聞き覚えのある少女の声だ。
くるりと振り返って、視線を向ければ、あまり出ない夜会で話したことがある少女が立っている。
あっ、腕ひねる。腕ひねるから、おにいちゃん、いや、にいさま、おにいさま放してええ。
リボンの色が同じだ。あ、そういえば同じ年だっけ。
と、思い出して茶化すのをやめて、私は笑みを零した。
「おはようございます。…確か、マリアンネ様だったかしら?」
よっしゃああ。
少女の名前を思い出した私は最初時点でのぼっち回避!
確か、南の領内の伯爵家のお嬢様だったはずだ。
淡い緑色の髪がかわいい、ほとんど夜会に顔を出さない(兄も殿下もいないときは)基本ぼっちな私にも声を掛けてくれる奇特なお嬢さんだ。
まあ、それこそ兄が言うように綿菓子みたいなふわふわしたペパーミントな外見通りの中身がお洒落と恋でできてるから、
話してても『へー!へー!へーえええ!!恋する乙女ってなんかすげえ!』って事ばっかで話を合わせるの大変なんだけどね☆
殿下と私の婚約にもめちゃめちゃ食いつかれて、辟易した覚えがある。
でも、兄に言った通り私も別に嫌いではないので
『うんうん。すれてない(?)ご令嬢(?)ってかわいいねー。こういうこと考えてるのかー。
いやいや、ないわー(笑)』
とかって感じで結構仲がいい(ちなみに『』内は全て脳内で再生されております)。
「はい。本日からご一緒できてうれしいです」
ふんわりと笑う彼女は自分が可愛いことを知ってるなー。
ちょっと兄にあざとい感じの視線を向けてるのが、いい!!
私、ぶっちゃけそういうの嫌いじゃないんだよね。うん。
かわいいは正義だし。おいしいものも正義だし。
世の中は正義で満ち溢れてるね!
うんうん。今日も平和だ、ごはんがおいしい!
私はぼっち回避で万々歳だし。
兄を犠牲にしてでもとりあえず欲しい人材だ。
「あ、リカ!元気?」
そう言って、バーンと私の背中をたたく声にも聞き覚えがあって笑顔で振り向く。
マリアンネ嬢は嫌いじゃないけど、女子にありがちな二人っきりの世界は嫌だったのでちょうどいい。
オレンジの髪に、鳶色の目の少女が私を見て笑っている。
「あら、おはようございます。あなたも今年からなのね、エリザ」
こちらは北の領地の侯爵令嬢で、私と剣の師匠を同じくしている少女だ。
熱血!っていうよりは、まあ自分が継ぐもんだしーっていう。
まぁ私と似たような感じで取り組んでいて共感から仲良くしてもらっている。
「あなたも、って何よ気持ち悪い言い方して。あ、ルーベルト様もおはようございます」
彼女も私と同じく、家を継ぐ予定があるため幼いころから鍛えている仲間だ。
うーん。将来下につく予定があるからか、私に対する態度と兄とで差がないか?
まあ、こればっかりはしょうがないけどね。
いきなりエリザに敬語キャラになられても私困っちゃうし☆
「リカに友達がいてくれてうれしいよ」
にこにこと腹黒い父親そっくりの笑顔を少女たちに向けて、兄はそう言うとあっさりと離れていこうとしたところで足を止めた。
「あ、リカ。これだけ渡しとく」
ジャケットの内ポケットからしゃらりと鎖を出して、私の首に掛ける。
胸元までの結構長い鎖で、先には何か透明な宝石のような、ガラス玉のようなものが光っている。
「……なにこれ」
いきなり最初からアクセサリっぽいものをつけられて、上級生に見咎められて校舎裏とか冗談じゃないんですけど???
やめてください!いいから出せよ!いやんいやん!もっといろいろつけてんだろ!脱げよコラァ!ア~レ~ェェ!からの[自主規制]的な展開はマジで勘弁してください。
この話、そういうのじゃないんで。いやマジで。
「え。魔法?」
「は?魔法?」
「そう。魔法」
コミュ障か!コミュ障だからか!二人の少女に両脇を固められつつある私の傍から早くも離れたい雰囲気を出している(おい!シスコンっていう病気はどこ行った??コミュ障?コミュ障に負ける私の立ち位置って……)兄は簡潔にそれだけ言うと、あっさりと離れていく。
何?何なの?謎だけ残して去っていかないでえええ。渡したいなら、もっと早くにモアプリーズ。
ああ、馬車で浮かれすぎて兄の話とか聞いてなかったわ。私のバカ☆
「ああ……何時みても素敵なお方❤」
「この色ボケ姉ちゃんもリカの友達なの?」
お察しのとおり、前者がマリアンネ。後者がエリザの台詞である。
ほう。と語尾にハートマークをつけて甘いため息をついたマリアンネに、エリザが白い目を向けている。
うん。うん。わかるよ。エリザ。
でも、こういうところ結構、私的には好きな所だからやめようね。
それよりも私はいきなり魔法とか電波なことを言い出した兄に首に掛けられた鎖のほうに気をやってもいいかな?いいとも!
「色ボケ姉ちゃんって誰のことですか!?
そしてそんな失礼な貴女はどなたですか!?」
「あー。色ボケ姉ちゃんはうるさいなー。ほら、もう行こ。リカ」
あ、やっぱり二人を放置するのは無理かー。
ま、魔法については、お昼ごはんの時にでも兄に詳しく聞けばいいか。
と、胸元で揺れる鎖を脳裏から追い払うと、二人にお互いを紹介し始めた。
うん。友達の友達は友達ってことで、すぐに私よりも仲良くなった二人にひょっとしてぼっちかもと思った私は。
…ちょっと泣いてもいいかな?いやこればっかりは良くないよ!
******
………えーっと。学園長の話って(異)世界共通で長いのね。
意気揚々として椅子に座った私に、容赦なく襲い掛かる睡魔!
あ、左から三列目の前から5番目の男子の頭がグラグラきてる。きてるよ!
あれはもうすぐ落ちるやつだな。
寝るな!寝ちゃだめだ!寝たら死ぬぞ(主に精神面で)!
開けた口でよだれ垂らして寝るとか死ねるから!
変な寝言とか人に聞かれたりしたら絶対に死ぬから!
下手に起きてようとして白目とかホラーで絶対に死ねるから!
やめよ?やめようよ!まじでやめてええ!
リカルダ・ベーレンツは三度死ぬ☆
……ぶるぶるぶるぶる(震)
死亡フラグはほんとにやめてえええ(震え声)
あ、壁際一番前にに座ってる偉いっぽい先生が落ちた!
おい!あんた寝るとか、絶対ダメなやつでしょ!
ちょっ……待てよ!置いていかないでえ!せんせええぇぇ!
責任者出てこい!って、その責任者がしゃべってるんだっけ?ビックリだね☆
PTAにチクるぞ!寄付金返せ!
PTAってペアレントとティーチャーとなんだっけ?アソシエーション?アソシエーションって誰よ?
人じゃないよ!団体のことだよ!
あーやばい。相当いろいろごまかして無理矢理起きてるけど本当に寝そう。やばいやばい。
こちとら昨夜未明まで髪の毛とガチで戦ってたファイターだっつーの。
今頃、侍女も寝落ちしてるよ。
マリアンネは始まったと同時にさくっと隣で落ちてるし、エリザは逆隣で筋トレしてるし。
あー!ずるーい。道具使うとか卑怯かよ!
私も持ってくれば良かったなあ。
なんとも言えないぬるーい雰囲気で、春の陽気がうららかであったかいなあ。眠いなあ。寝たいなあ。
と思った所でエリザがガクッと落ちた。
ちょ、駄目よ、そんな体制で寝ちゃダメ!おなか壊すよ!ぽんぽん痛いってなっちゃうよ!!!
のらーりくらーり。さっさと本題言ってえ、おじいちゃん先生。
斬るぞ。母の奥義で。母の豪剣受けてみよ。なーんちゃってー☆
zzz…はっ!ダメダメ!今ボケたらガチで寝るから。寝ちゃうから。
何なの?さっき兄が見事に立ててった魔法の世界とか言うフラグだっていうならさっさと組み分け帽子とか出しなさいよ!(言い掛かり)
組ならさっき張り出されてるのを三人で確認しましたけど、何か?
同じクラスで安心しきりですけど?
好々爺然とした、おじいちゃん先生ののらりくらいとした内容がさっぱり見えない話が長すぎて、あ、斜め前の女子が落ちた。
「ほ。今年はリカルダ様だけが残ったのかのう」
お、おじいちゃん先生がおじいちゃん口調だ!やばい、リアルで見ると感動する!
おじいちゃん先生(くどいようだけど学園長)と、私以外の全員が完落ちしている状態で、おじいちゃん先生こと学園長は私を見つめてにっこりと笑う。
やっべ、一人だけ普通に見てるとか目立っちゃうじゃん。何やってんの私。
でも、あーふっさふさの白い眉毛と、糸目で可愛く笑ってる。かーわーいーいー❤
髭も真っ白でふっさふさでサンタクロースみたい。クリスマスカラーの兄とセットで見たいなあ。
と、現実逃避して聞き逃しそうなところで、ん?と椅子に預けていた身体を起こした。
「……それって、どういう事ですか?」
入ったばっかりの生徒を寝かしつけるとは、けしからん。
寒い日の毛布か!それともだらだらした日の炬燵かよ!
全くもってけしからん!いいぞ!もっとやれ!皆の黒歴史、見放題☆って、えへ☆ごめん☆
じゃあなによ眠いの我慢してるの私だけっていうの?ひどくない?これ訴えたら勝てるよ多分。
みんな廊下に立っとれ!言ってみたいだけだよ☆てへへ(照れ)
とりあえず、おじいちゃん先生がかわいい癒し系だから何でも許しちゃうぞー☆可愛いは、正義です☆
「演説に、『睡眠』の音便を載せておったから寝るのが普通なんじゃよ」
おじいちゃん先生が「なんじゃよ」って言った!!やばいテンションが上がるかも!
本当におじいちゃんがおじいちゃん言葉とかないもんね!レアレア!
記録したい!唸れ私の海馬よ!いざ今の光景を記憶に残しておくのだ!
「『睡眠』…ですか?」
はァ、そうなんですか?といった感じで適当に相槌を打てば、うんうんとおじいちゃん先生が頷いて「後から学園長室に来なさい」と片目を閉じて笑い(なにそれ!なにそれ!かわいさで私を殺す気か!ハァハァ)パチリと指を鳴らした。
それと同時に全員の目が醒めめたらしく、一瞬うたたねしたかのような素振りでみんなが体を起こしている。
いや、あんたたち一瞬どころじゃないからね!
しょっぱなから落ちた人なんて結構な睡眠時間の補給してるからね!
今日の夜、寝られなくても知らないよ!
おかあさんは起こしませんからね!
いきなり睡眠リズム狂って、明日の朝から君らパン咥えてキャー遅刻だよ?
何その名作古典漫画風な出会いをゲット☆って。ちょっとうらやましいじゃないの。って、え?ち、違う?
何だこの集団睡眠。レム睡眠なのノンレム睡眠なの?
あれ?時計見たら5分くらいしか経ってない?んわなけないでしょー。
ここまで読むのだって5分以上かかってるよ。きっと…。(これで読了時間5分とかだったらマジ泣きそう)
っていうか、おじいちゃん先生どうしたの?急に怖いキャラだよー。
でもブラックなおじいちゃん先生ってツボでかわいいよー(どのみちかよ)
……何やったんだこの人?
「ほれ、年寄りの話はここまで。それぞれの教室に戻りなさい」
それって職務怠慢なんじゃないのってくらい寝こけてた先生たちにびしっと引率されて、ぞろぞろと講堂から出ていく生徒たち。
集団催眠感満載すぎてちょっとひく。こっわーwwなにそれーww(嘲)
おっと、思わず草をはやしてしまった。悪役令嬢が草はやすとか、びっくりするわ。
「あー。こういう話ってほんと眠くなるよね。落ちるかと思ったわ」
くわぁぁっと豪快に欠伸をしたエリザ。思ったとかじゃなくて、あんた落ちたから。完全に寝てたからね!
流石に寝顔はともかく態勢が[自主規制]で[自主規制] だったことは私、心の宝石箱に鍵をかけてしまっておくから安心してね。
北で顔を合わせた時に思い出しそうで、今から記憶を封☆印しといたほうが正解なんじゃないの?私…。
「本当に、こういう話ってどうにかならないのかしら。
欠伸で涙が出てしまってお化粧が崩れちゃう…」
そういって目許を押さえるのはマリアンネ。
いやだから、普通に寝てないってアピってるけど、いや寝てたよ?しかも、結構早い時点で!!
っていうか流石、女子力高めキャラだね。
この年でもうメイクばっちりなの?お肌トラブルの開始なの?
スタートダッシュをかましてるの?残念な感じでパンダ目になってるよ。
うん、ついていかないけどトイレで綺麗に直そっか?
『リカ(ルダ様)。どうし(まし)たの?やたらと疲れた顔をして(ます・る)けど』
声をそろえて不思議そうな顔で二人に言われて私は力ない笑みを浮かべて、なんでもないとかぶりを振った。
さ、さあ。今日はどのみちお昼までだから、ガイダンスに行かないと…ね。は、ははは。
こんなに我慢した私だけど、眠いの我慢する意味あったの???
さぁ順番来たから教室もどろー!って言うところで、おじいちゃん先生(だから学園長)に呼び出される。
……えーっと、ここまで振っといて何なんですけど、私、もう逃げてもいいかな?
予定になかった友達爆誕です。
エリとマリとリカの二文字渾名三人娘ですが、あまり出番が(笑)
一応キャラとしてはあざと系と、サッパリ系とにしてみました。