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超能力警察官 清水秋雪

作者: 志賀内書手
掲載日:2015/11/26

処女作。誤字脱字があればすいませんが指摘していただけるとありがたいです。

設定の粗さや知識の少なさなども申し訳ありません。

――――――――――


冬の寒い風と朝の陽ざしが照らす道路の端の方に僕達は歩いていく。

現場と周囲を見て、どうやら収まりがついたのを確認して僕は男性に話し始めることにした。


「では今後は能力の使用に際してはよく注意をしてください」

「はい、態々来てくれてありがとうございました」

「気になさらず。これが私達の仕事ですので」


シルエットの細い男が僕達に一礼してくれたが、それに何時もの言葉を返した。

男性がゆっくり僕達の前から歩き去っていくのを見守る。

巡査の仕事もなれたものだ、僕の従事するのは少し変わった部署だが。

隣のきらきらした黒髪が特徴的な、片平久子はその小さな顔を笑顔にして僕を労う。


「秋雪君ももう一人前だね。私が一緒にいく必要ももうないかな」

「いえ、そんな事は。まだまだ経験不足です、さっきの人の時も片平先輩の手助け無しでは危なかったですし」

「そんな事無いよ、ちゃんとあの人を落ち着かせて周囲への被害も抑えたじゃない」

「でも、そのためのお膳立ては片平先輩のお陰です」


さっきの男性は発火現象をを制御する事が出来る能力者で、どうやら寒いから小さな火を灯そうとした所、

制御を失敗して消せなくなったという。

さっきのような能力の小規模な暴走は珍しい事ではなく、かなり多い事例だ。

2047年――能力者が最初に発見されてから30年。

能力者という存在がある程度認知、浸透してきたとはいえまだ研究不足。

個人個人で制御できる限界も異なる以上さっきのような暴走は避けられない。

僕や片平先輩が属する、各警察署に作られた能力者課の存在はそれの対応のためにある。

もっとも、30年も経てば普通の警備の人や捜査官にもある程度ノウハウが伝わっていて、

僕達の存在はだんだん普通の生活安全課と変りがなくなってきているのだが。


「この後は何時もの巡回をして、戻って報告書を作成作業ですね」

「そうね、それが終わったら交代までは自由って感じだと思う」


今の事例を含めて後五件は問題が起きそうだ、それを含めて…今日も遅くなるか。

まあ、報告書を書くのは嫌いじゃない。どうやって先輩を説得しようか考えておこう。

しかし、冬の足音が強くなってきたせいか制服が冷たくなって寒い。

心なしか足をすすめるのが億劫になりそうだが、隣の先輩が変らない以上、僕も負けてはいられない。

ちょっとくらいなら、喋ってもいいか?


「そう言えば先輩、昨日なんか飲みに行ったらしいですけど」

「その話はやめて、腹立ってくるから」


遮られた。どうやらよくない思い出になってたようだ。

この話題には触れない方がいいな、下手に刺激したら怒られそうだ。

そうでなくても割りと日によってあたりがきつい。


「待って秋雪君。あの銀行に入っていく三人を見て」

「――素振りが妙ですね、バッグを気にしすぎているような」


まるでその中に大切なモノが入っているような感じだ。先頭と真ん中はそうでもないが、後ろが怪しすぎる。

事案発生前に、念の為に連絡しようと携帯で刑事課の能力担当の浅葱警部へ連絡する。

こういった状況で勝手な行動は厳禁だ、問題の銀行へと近づきながら連絡する。


「浅葱だ、清水。対応できないことでも起きたか?」

「浅葱警部、今中央公園付近にある銀行に不審な三人組が入って行きました。

こちらで様子を見ますが、念の為連絡を」

「――そいつらの特徴は言えるか、もしかしたらこっちが探してる奴らかもしれん」


浅葱警部の声が少し砕けた口調から真剣なものに変わる。

どうやら浅葱警部が探している容疑者に関わりがあるかもしれない案件か。

僕は声を抑えながら一人ひとりの特徴を伝えていく。


「――以上が三人の特徴です。どうです、浅葱警部」

「――大当たりだ。その内二人は逃亡した強盗犯の荻貴久と神尾雅人だ。

すぐにそっちに向かう、できるだけ時間を稼いでくれ!」

「――先輩」

「銀行にはもう連絡したわ、直ぐ傍の他の皆にも伝わってる。

合流して確保にかかるわよ」


僕達は正面玄関にいる二人と合流し、中の様子をうかがう。

遅かった…!既に脅迫して金を奪おうとしている…!

眼鏡を掛けた男が職員に銃を突き付け金を入れさせている、あれが神尾雅人か。

大柄なのが荻貴久で、最後の痩せぎすの男は誰だ?

様子をうかがっていると浅葱警部が到着した。


「様子はどうだ?」

「客と職員数名、合わせて14名を人質にして金を入れさせています。

合図があれば何時でも」

「待て、神尾雅人と荻貴久は能力者だ。

神尾が発火系の能力で、荻の方は念動力…迂闊に突っ込んだらまずい。

何か奴らの注意をひく必要がある…電気落とせないか?」

「難しいと思います、中に潜入は出来ていませんし完全に落とすのは無理かと」


銀行などといった施設には緊急用の自立電源がオートで作動するようになっている。

電気は落とせて数秒だ、時間がたりなさすぎる。

僕の能力を使っても3人相手はまずい…!


「数秒か…清水、お前射撃は得意だったな」

「はい…去年も射撃大会、優勝しましたから。」

「なら一人は行動不能にできるな、金を入れさせてる奴を頼む。

後の二人は俺達で対処する、各員確保準備だ」


作戦は僕が神尾雅人を撃ち、それと同時に電気を落とす。

その間に流れ込んだ捜査員と僕達で確保するというものだ。

しばらくしてから実行に移すといい、僕は拳銃に手をかけて呼吸を落ち着かせていた。

片平先輩は僕を見て優しく声をかける。


「大丈夫、秋雪君ならやれる。

去年の射撃大会、優勝したんだし、ね?」

「――。はい、やってみせます。期待しててください」

「うん、頑張ってとしか言えないけど…信じてるから」


五分後、俺は結構に際してポジションを移動する。

そして、拳銃に手をかけ狙いをつける、狙うは足だ。

落ち着いて深呼吸をして引き金に指をかけ、引く――!


「――ぅっ!」

「ぐがっ――!?」


一発の発砲音とともに麻酔弾が神尾雅人を撃ちぬいた!

それと同時に電源が落ち、僕達は流れこむ!


「な、なんだいきなり電気が!?」

「確保ォォ――っっ!!!」

「クソォッ!?」


一斉に流れこんだ僕たちは人質救出と二名の確保と神尾雅人の確保に素早く別れる。

しかし、その最中名前がわからなかった一人が確保される瞬間に何かを発動させていた。

俺には見えなかったが、一瞬の後同僚の悲鳴が聞こえた――。


「うわあああっ!?」

「こいつ、まさか肉体強化系か!?」

「荻と神尾を速く遠ざけろ!逃されちまうぞ!」


浅葱警部の声が響くとともに電気がつくと、そこにいたのは。

怪物のような人間だった。まるでフランケンシュタインの怪物のような…。

体調は優に二mを超え、腕や足はまるで丸太のように太い。

同僚の武志が壁際で呻いている、吹き飛ばされたんだ…!

浅葱警部達と神尾雅人を確保して遠ざけようとするが間に合わない、まずい――!

俺は浅葱警部を突き飛ばして遠ざける、だが――。


「っ――!!」

「清水!バカ野郎――!」


振り下ろされる腕、余りにもリアルな死の瞬間に俺はスローモーションのような錯覚を覚えた。

あれに当たれば死ぬ、だがもう間に合わない。

それこそ、この状態から横っ飛びに一瞬で飛び退けば躱せるだろうが――。

考えた瞬間、俺の体はまるで瞬間移動したように――その行動で辿り着く位置に『移動』していた。


「――っ!?」


俺は死ななかったことに驚愕する前に銃を怪物の肩を狙って発砲する。

発砲音とともに命中し、巨体が揺らぐ。その瞬間浅葱警部は轟くように。


「今だ!麻酔弾を撃て!!」


複数の発砲音とともに巨体が崩れ落ちるように気絶した。

俺も緊張の糸が切れたように、意識が深く沈んでいった――。


「おい、清水!救急車を呼べ!急げ!」


――――――――――――


「秋雪ー、何読んでるんだ?」

「前に僕が関わった事件の報告書、資料室で見つけて懐かしくなって」

「それって銀行強盗の事件だっけ?それが切欠で特超課に来たんだっけ」


ロン毛が特徴的なホストっぽい同僚に僕は頷く。

あれから三年――あの一件で新しく設立される警察庁特別超能力事件捜査課にスカウトされた。

当時の僕は困惑していてすぐには返事ができなかったけど、杉並次官の言葉で結局受けたんだよな。


「なにせ凶悪犯の水谷稔侍を捕まえたようなもんだからなあ」

「当時は知らなかったんだよ、死ぬかと思った。

――そろそろ休憩終わりじゃないか、仕事に戻ろう」


お、本気で!?と狼狽える同僚を尻目に俺は戻る。

今の僕はあの頃より危険な場所に身をおいている。

今日もまた、難事件を相手に僕もチームの一員として、立ち向かっていかなければ――。


                                                

今回はじめて書かせていただきました、志賀内書手です。

私の作品に少しでも目に通してもらえて光栄です。

この作品が貴方にとって少しでも楽しめる作品だったのならば光栄です。


主人公となる清水秋雪は銀行強盗事件時はまだ22歳。

そこから事件終了後は異動となりますが、コレは現実ではまずありえない異動です。

通常は大凡30歳までは昇進は出来ないと言われています。

最も、私の少ない知識に因るものなので違っていたら申し訳ありません。


この作品における超能力は人類の進化の途中のようなイメージで書いています。

2017年頃から姿を見せ始め、現在は老人を除いた殆どの人間が何らかの能力に覚醒しているという設定です。

その為それに因って発生する事件がり、警察もそれ用の部署を設けた…用な感じです。

日本もそれに因る治安の低下は免れず、ある程度の自衛手段が認められているイメージで執筆しています。


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