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犯人を突き止める

一瞬で魔王城に帰って来た。


私も覚えたい!だが、攻撃系以外の魔法は、壊滅的に相性が悪い。うぅむ、努力すれば何とかなるか……? ん? 教えて貰おうとすると、ルーに頭を下げなければならないな。よし、テレポートは諦めよう。


「勇者が犯人じゃないなんて……。あたしは他に思いつかないわ。」


「わかっている事は、朝起きたら、姿が変わっていた位だからな。寝る前は元の姿だったのは間違いないのだな?」


「間違いないです!いつも通りのペッタンコでした!あ、今もあまり変わりませんね☆」


な、なんだ!?モフモフから凄い殺気を感じる!


「がふっ!」ガッシャーン!!


ルーがヤバい勢いで、窓の外に飛んで行った!!モフモフの体当たりで!


「寝る前はちゃんと元の姿だったわ。」


「そ、そうか。なら、夜または早朝に姿を変えられた事になるのだな。」


「そうなるわね。」


とりあえず、モフモフ専用禁止ワードに、ペッタンコをいれておいた。


それにしても、モフモフの姿を変える程の魔力を持った奴など、勇者以外にいるのか?………はっ!


「む、わかったぞ!魔王であるモフモフの姿をささっと変えらる奴が犯人だ!」


「モフモフじゃない!シヤンよ!」


「それ、わかったとは言いませんよ、バロス様。」


戻って来るのが速いだと!あんなに派手な音を立ておきながら、無傷とは侮れん奴だ。

そんなことより!


「何を言ってる?モフモフは魔王なのだぞ!普通の魔法使いには、魔王の姿を変える事などできないだろう!!」


一人と一匹が、はっ!とした顔になる。

これまで気づかなかった私もそうだが、そういう奴を最初に疑うべきだろう!


「魔王の姿を変えられる奴に、心当たりは無いか?」


「あります! 超ありまくりですよ!バロス様!賢者様しかいません!」


「そうね!賢者なら、簡単にあたしの姿を変えられるわ!あと、いい加減にシヤンって呼びなさいよ!」


しょうがないな。犯人もわかったので、シヤンと呼んでやるとしよう。


「ルー!賢者のところまで、テレポートお願いね!」


「お任せください!魔王様!」


私達は賢者の住処まで飛んだ!




#=#=#




目の前にある小屋はボロボロだった。本当に、こんな所にいるのだろうか?

居る、居ない関係無しにモフモ…シヤンが叫ぶ。


「賢者!居るのはわかってるのよ!さっさと出て来なさい!」


物音すらしない。どうなっているのだ!

説明しろという風に、ルーを睨む。


「んー、魔法で結界でも張ってるんじゃないですか?それで、外の音が聞こえないんだと思いますよ!」


そうか!ならば!


「ついに、破壊神たる私の出番だな!結界など粉々にしてくれる!」


最上級魔法を唱え始めようとした時だった。


「はぁ〜い、どちら様ですかぁ〜?」


のんびりと言いながら、幼女が出て来た。

破壊神としての責務が全うできない!

何故、私を呼んだ!これなら、違う奴でも良かっだろう!


「あたしをこんな姿に変えておいて、よくそんな風にしてられるわね!」


「えぇ〜!?シヤンちゃんにぃ、そんなことしないよぉ!」


しらばっくれるつもりか!


「お前しか、モフ…シヤンの姿を変えられる奴はいないだろう!」


シヤンが嬉しそうにしている!?そんなに名前で呼んで欲しかったのか!?……尻尾フリフリかわい…はっ!いかんいかん!


賢者は少し不機嫌そうに言った。


「はぁ、何をぉ言ってるのですかぁ?そこにもうひとりぃ、いるじゃないですかぁ〜。」


賢者はルーを指差した。

私とシヤンはルーの方へ顔を向ける。


「ちょ、魔王様!バロス様!俺を疑うんですか!?これまで一緒に犯人探しをしてきた俺を、疑うんですか!?」


言われてみれば、ルーが犯人に思えてくる。従者なので、城でコソコソする必要などないしな。魔王であるシヤンが使えない魔法も、普通に使っている。

怪しい、怪しすぎる!これほど怪しい奴はいない、というくらいに怪しいぞ!


「ルーが犯人だったの……?」


「魔王様!しっかりして下さい!おのれ、賢者め!魔王様に洗脳魔法を使いましたね!」


「使ってないですよぉ〜」


「純粋に疑われてる!?」


まぁ、主人である魔王を馬鹿にすることもあったからな。信頼度は高くないだろう。


「さっさと白状したらどうだ?」


「バロス様までも!?」


二人と一匹の視線がルーに集まる。


「はぁ、わかりましたよ。白状します。俺が魔王様の姿を変えました。」


「やっぱり!あんただったのね!」


やっぱりとはどういうことだ。


「は?何を言ってるんですか?魔王様が『最近つまらないから、寝てる間に姿を変えといて』というので変えただけですよ?」


おい、シヤン。……口をパクパクしている。


「ルー!最初からシヤンが原因だと知っているではないか!何故、言わなかった!」


そうすれば私が召喚されることもなかっだろうに!


「いや、だって言わない方が、面白くなりそうだと思いまして!結果、面白くなりましたし!」


「それだけか?」


「はい!それだけです☆」


駄目だ。こいつ、早くなんとかしないといけない。


「話は終わりましたぁ〜?終わったならぁ、シヤンちゃんを元の姿にぃ、戻してあげた方がいいんじゃないですかぁ?このままだとぉ、一生この姿になってしまいますよぉ〜。」


一生このまま!?それは困る!契約が、果たせなくなるではないか!

シヤンが焦ったように言う。


「ルー、早く戻しなさいよ!」


「……それが、人にものを頼む態度ですかー?俺は言いつけを守っただけなのに、悪者扱いされたんですよ?わかってます?」


含み笑いしながら言われても、何とも思わんぞ。


「そ、それはわかってるわ!だ、だから、はやくぅ!お願い!もう待てないの!ぐすっ、早くしてよぉ!」


途中から半泣きになっている。

ここの言葉だけを聞くと、違う意味にも聞こえるな…。犬に言われても何とも思わないが。……ルーは違ったみたいだ。顔を赤くしている。


「しょ、しょうがないですね!勿体無いけど戻しますよっ!」


パチンと指を鳴らすと、ボフンッと現れた煙でシヤンが見えなくなる。

少しずつ煙が引いていき、姿を現した。


胸が残念な、ツインテールの美少女だった。

私的には、犬の姿の方が好みである。見慣れていたしな!決して、モフモフしたいわけではないぞ!


「ふふっ!魔王シヤン復活ね!」


「これで契約は果たされたな!私は元の場所に戻るぞ。」


短い間だったが、離れるとなると少し寂しい気がするな。こいつらと居ると暇しないで済むからかもしれん。


「バロス様、何を言ってるんですか?契約はまだ完了してないですよ!」


なにっ!?


「ルーから聞かなかった?あたし達が有利になる条件で契約したって。」


そういえば、言っていた気がしないでもない。


「まだまだ、あたし達と一緒にいてもらうからね!」



そうか、まだ一緒にいれるのか。ホッとした私がいるのに驚いた。私はこんな二人を、気に入ってしまったらしい。絶対に本人達には言わないが。


「ふん、契約なら仕方ないな。」


「バロス様ってば、嬉しいくせに!超イケメンの俺と世界で三番目に可愛い美少女の魔王様と過ごせるんですからね!」


一番じゃないのか。


「終わりよければぁ、全て良しって奴ですねぇ!……こんなくだらない事にぃ巻き込まれたのはぁ、始めてなんですよぉ?」


賢者の事を忘れていた。

しかも、かなり怒っているようだ。

三人で土下座し何度も謝った後、仲間に入れることで許して貰えた。


「じゃあ、早速だけど、どうやって世界征服するかの会議をするわよ!」



こいつらと一緒にいれば、退屈せずに済みそうだな!

これからの日々が楽しみだ!






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