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妹に迷惑をかける大人にはなりたくない
私の友人に新見あすながいる。
「あすな、先生来たよ」
「兄貴、寝坊しすぎだ」
彼女は先生の妹である。
あすなは他クラスなので報告をしに行くと、呆れ顔だった。
「また委員長に叩かれてたよー」
「高良くん、ナイスだ。しばらく高良くんの家に預けようか、あのダメ人間」
「そういえば、先生がさー、筆箱忘れたって言ってたような…」
「そうか。じゃあ、そろそろ来るな…、ほら」
あすなが私の背後に目を向けたので振り替えってみると、そこには先生が立っていた。満面の笑みである。
「あすな~、筆箱貸して~」
「おいクズ、学生から筆記用具を巻き上げようなんて教師がすることじゃないだろ」
先生はあすなに蹴りをおみまいされた。うん、痛そう。
「あす…ぐふっ」
さらに不幸があっても笑いを絶やさないのが先生である。