3/4
時間を守らない大人にはなりたくない
「結月ちゃん、カッター取ってくれる?ありがとう。」
「うん」
「ん?これ、カッターじゃなくてナイフだよ。なんか怖いよ」
我がクラスは文化祭でお化け屋敷をやることになった。そして、今はその準備中である。私は教室の装飾を任されたのだが…。組んだ相手が悪かった。
「あっ、間違えちゃった。どうしよぉ、ゆきりんっ」
「大丈夫だょ、ゆづちゃん。月森さん、ゆづちゃんを怒らないで?怒るなら僕を怒って!」
「ゆきりんっ。ゆづ、嬉しい。庇ってくれるなんて!」
今すぐダンボールの下敷きになって絶命すればいいのに。
「おはよう、諸君。今日も良い朝だね」
本気で殺意を覚えそうになったとき、彼は現れた…と思ったら、委員長に叩かれていた。
「先生、昼です。朝ではありません。教師が堂々と遅刻してどうすんだぁ!!」
「…すみません」
作業能率が悪くて殺気立っていたのは委員長だったようだ。