第2話:メール
その夜、部活から帰ると相沢からメールがきていた。
メールを開くのに妙に緊張して、見るのに十分程かかった。
件名:初メール☆☆登録ょろしく★
こんばんわんこぉ☆部活終わったぁ??
なんて呼べばいいかな?私は佳奈でいいょ★☆★
文字の一つ一つが相沢の顔を思いださせた。
なんだかくすぐったい。
自然と相沢の笑った顔が焼付けた目から脳へ送られてくる。
件名:今終わった。
俺の事は聡でいいよ。
俺は何故かギクシャクしてしまって、一言だけのメールを送ってしまった。
送った後…すぐに後悔した…。嫌われたかも…。
件名:堅いょ!!!(汗)
聡なんか堅い!!タメなんだからもっとほがらかにぃ★☆★
思った以上に明るくカバーしてくれたのが嬉しかった。
そんな感じで俺達は眠たくなるまでずっとメールをしていた。
メールが返ってくるまでいつも俺は携帯を握って待っていた。
そして着信音がなると餌をおあずけされていた犬のように、
携帯に食いついた。
件名:眠いぃ↓↓↓ZZZ
明日バスケの朝練あるからそろそろ寝るね☆★
また明日★
バイバ〜イ☆
俺も十分眠かったがメールが終わるのは……残念だった。
件名:オッケェ
俺も明日テニスの朝練があるから。んじゃおやすみ〜〜〜。
なんだかおかしな気持ちになってそれをごまかすかのように、俺は深い眠りにつこうとした。
しかし…眠かったはずなのに…メールをやめた途端に、相沢が今何をしているのか気になってあまり寝付けなかった。
自分に芽生え始めた感情の足音が…心の底で聞こえていた。




