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愛しい日々  作者: 黴菌
13/15

第12話:心臓





私の命の期限はもう明日まで。

一か月は…私には実に早すぎた。そして…苦し過ぎた…。ほんの前感じていた長さとは違って…。

まさに相対性理論だ…。


聡は……こない。




仕方のない事だ。






私が忘れてなどと言ったから。



何…期待してるんだろう……?



期待してみても無駄な事だ。

それは私が1番よくわかってるはずでしょ??



でも…聡…




怖いよ…。









自分の…死ぬ日がわかってるのって怖いよ。




私の時計が…正確な事も…。聡がいない事も…




暗闇が手をのばしてくることも…






「佳奈…。」




いつの間にか開いている

ドアの方を見てみると…。




夜の暗がりの中にふらつく聡がいた。






「なん…で…?」




聡はフラフラしながら私のベットの脇に倒れ込むように座った。







「佳奈…。俺の…心臓を使ってくれ……。」




聡の…心臓??




「な…にいって……んの??」



聡の言う意味がわからなかった。






「俺はもうすぐ…死ぬから……。薬…飲んだんだ。ドラッグじゃない……毒薬…。もう医者に話はつけた…。」



月光に照らしだされた聡の顔は……死ぬ前の苦しさと…ある決心がまじっていた。




「…な…んで?なん…で??」




もう……もう…意味がわからない。






「俺が佳奈のドナーになる。」




聡の目は私を捕らえて放さず…弱弱しい音量で…力強い決意を…私に言った。

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