フードコートで下世話な話2
このお話のパート1はこちらです!
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併せてお読み下されば幸いです。
では、始めます。
◇◇◇◇◇◇
「“BeReal”って知ってる?」
「なんか聞いた事はあるけど、よう知らん」
「そっか! やっぱり私達、ズレてるのかも?」
「別にレズってないやん」
「そういう、スベるボケはやめてよね」
「いや、アンタの足元の方が滑んでぇ~ そこ水、零れとったから」
「だったら、他の席で待っててよ!」
「それ、やったら前にキレたやん。『勝手に席替えたら分からへん』って」
「それはかおるが連絡もしないで違うトコ座ってたからでしょ?」
「ああ、分かった、連絡せえへんかった私が悪いんやね。反省します。ゴメン」
「なんか口だけでいなされてる感じがするんだけど!」
「いや、ホンマ、誠意見せますって! “PON女”附属の天使様にそないな顔させられへんし」
「知ってる? そーいうの“褒め殺し”って言うのよ!」
「そんなコワイ顔せんとってぇなあ~ スマイルスマイル」
「っとに! かおるは!! じゃあ、お詫びになんか奢って!」
「分かった! ディッパーの焼きりんごミルフィーユは?」
「おー意外と太っ腹! 男らしい!」
「私、女なやけど」
「いいじゃん! 私が好きなんでしょ?」
「えっ?!」
「まあ、いいわ! かおる、“BeReal”って知ってる?」
「なんか聞いた事あるけど、それがどうしたん?」
「朝、テレビで観たんだけど、JKの間で流行ってるらしいんだ」
「どういうもんなん?」
「SNSなんだけど、『盛り』NGなんだって!」
「ちょお待ち! ググるわ……『1日1回ランダムな時間に届く通知から2分以内に、加工なしの「素」の日常を友達とシェアするフランス発のSNSです。内側と外側のカメラで同時撮影するため、映えを意識しないリアルな状況が共有され、Z世代を中心に人気を集めています……』『通知はランダムで同じタイムゾーンの全ユーザーに一斉に通知が届き、2分以内に撮影・投稿します』って予告なしかい?!」
「『フィルター加工無しの内・外カメラ同時撮影で自分と背景を同時に撮影し、その瞬間の「リアル」を切り取ります。』って事らしいよ」
「それヤバない?」
「まあ、トイレとか入ってたらね」
「そんなん、最悪やん! きっとめっちゃ酷い顔してんで!」
「もちろん撮り直しもできるし、後から投稿も出来るけど撮り直しの回数とか遅れた時間は表示されるんだって」
「それ、悪趣味ちゃう?!」
「でも、バズってるって! そのせいで最近、顔隠して撮ったり、後ろ姿撮るのが流行ってるらしいから」
「なるほどねぇ~ 確かに“盛り疲れ”ってあんのかもしれへんなあ 周り見ててもJKって大変やと思うもん」
「アンタだってJKじゃん!」
「言うたかて、私が“映え”にガチると思う? 盛るモンも無いのに」
「そんな事しなくったって、かおる、カッコいいよ!」
「そりゃ、オンナとして?」
「えっと、それは……」
「ちょい待ちや! 私はオンナとして、胸をかさ増しせんでもカッコいいと 言・う・こ・と なん?」
「別に……胸を かさ増しする事は無いでしょ?」
「ああ、ハイハイ また私が悪いんやね! こないだの話の蒸し返ししてもうて。 ほな、焼きりんごミルフィーユ買うて来るワ」
◇◇◇◇◇◇
「別に同じものしなくても良かったのに……」
「違う味も摘まんでみたかったん?」
「それも無くはないけど……」
「七海が前に言うてたんやで『ディッパーなら焼きりんごミルフィーユ一択!』って」
「それはそうだけど……」
「私かて同じモン食うてみたいて思うで。七海のイチ推しやから」
「それは、かおるが私の事、グルメって思ってくれてるから?」
「ちょっとちゃうな。七海が私のイチ推しやから」
「ひょえっ?!」
「なに、おもろいリアクションとってんねん!」
「えっ?! そ、そうかな……」
「そうやで! ホラッ! あれっぽかった。 なんちゅうたか……ああ、『滅ポーズ』!」
「ええっ?! 私、ピースしてた?」
「指は完全なピースやなかったけど、右手と左手の位置がそれっぽかった」
「そうなんだ~ 知らず知らずのうちに周りに毒されてるな、私……」
「天使やのに?」
「それ、ホント止めて! かおるの前では“作ってない”私で居たいんだから!」
「そう、それ! ちょっと怒って、ほっぺ膨らませとんのが、めっちゃ可愛いねん! だから七海は『素』も天使やで さすが私のイチ推し!」
「ここまで褒め殺しされると怒るに怒れない! 代わりにクレープを攻略してやる!」
「おお!! いい食べっぷりやね」
「そうよ! 怒りに任せてバク食いして……太ったりしたらかおるのせいだからね!」
「そしたら私のクレープもやろか?」
「い・ら・な・い!! その代わり、デブった分のお肉、かおるにくっ付けてやるんだから!」
「どこに付けてくれるん?」
「そりゃ、決まってるわよ! 『令和新山』にしてあげるわ」
「グハハハハ! そりゃ “補正下着”より凄い、傑作(◎◎)バンドやて! 自虐の涙が駄々洩れやわ」
「あ~! かおるの顔、今、めっちゃエロアホっぽかった!」
「さよか、ほならますます“BeReal”は出来へんなあ」
「いいじゃん! 私とだけやれば」
「限定公開設定でできるん?」
「できるみたいだよ! だからしよ!」
「でも私、写真そのものがニガテやし、もちろんメイクもやけど……」
「いいじゃん! 私だったらかおるのどんな恥ずかしいのでも受け止めるし」
「それ、言い方エロいで!」
「エロいとダメなの?」
「七海は天使やからな」
「また、それを言う……」
「ほんまにそやて」
「私の事、ホントに天使だと思うのならお願いは聞いてよね」
「うわっ! いきなりツンデレ!」
「受け入れてくれる?」
「……なんか文言が微妙にエロいんやけど……マスク着けててもエエ?」
「えー! それなんか寂しい!」
「コロナ禍の時は、みんなマスクやったやん!」
「今は違うでしょ! 私は日常のちょっとした瞬間のかおるが欲しいの!」
「『……の写真が』 だよね」
「……まあ、 一応そうだけど……」
「なんや、コロナの時の方は楽やった気がする」
「アンタ! そんな事、外で言ったら大変だよ!」
「そやね、やっぱり……」
「って言うか、アンタ、口角にクリーム付いてんだけど」
「えっ?! マジ?!」
「マジ! だから舐めていい?」
「ええっ??!!」
おしまい
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