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2話 引きこもりエルフ

セレスティアの小屋に着いた。


意外にも可愛らしい部屋だった。ぬいぐるみが並んだベッド、壁には押し花の額縁。


「座って。お茶を淹れるわ」


「あ、ありがとう...」


お茶を淹れながら、セレスティアがこちらを見た。


「で?説明は?」


「えっと...ただの旅人で...」


「それはさっき聞いた。本当のこと」


「...」


「まあいいわ。泥だらけでボロボロのあなたが危険人物には見えないし。今夜は泊まっていきなさい」


セレスティアがキッチンへ向かった時——


『ニケちゃん!ニケちゃん!』


「!」


『ニケちゃん、信仰度溜まったわよ♪さっきの続き、

聞きたいでしょ?』


「えっ、まぁ…」


『だよね!』


【続き気になる?信仰度は5消費だよ〜♪】


「えー、結局有料なの?」


『ニケちゃん!それだけ大事な話ってこと!』


(この感じ、聞かないと何度も連絡してくるパターンだよな…)


「あの…聞きます」


【信仰度:5 → 0】


『えっとね、1日3回まで話せるでしょ?で、続きを聞くたびに信仰度を消費するの。消費量は内容によって変わるから、計画的に使うこと♪』


「それ、最初に全部教えてくださいよ...」


『だって信仰度なかったじゃない。溜まるまで待ってたのよ?偉い?』


「偉くないです。天界で説明しといてくださいよ。」


『あら、冷たい。ママ悲しいわ』


「ママ!?」


思わず声が大きくなる。


「...誰と話しているの?」


振り向くと、セレスティアがお茶を持って戻ってきていた。


「な、何でもないです!独り言です!」


「怪しいわね...」



翌朝。森を抜け、私たちはココナ町に到着した。


「まずはギルドに行きましょ」


「ギルド?」


「冒険者登録よ。お金を稼ぐにも、宿に泊まるにも、身分証がいるの」


冒険者ギルドの受付で、猫耳の受付嬢が笑顔で迎えてくれた。


「お名前をお願いします」


「ニケです」


「ニ...ニケ様!?勝利の女神様と同じお名前ですね!」


「あ、はは...そうですね...」


(本人なんだけどな...)


セレスティアがニヤニヤしている。


「初期ランクはGになります。ちなみに、セレスティア様はFランクですので、お二人でFランク以下のクエストを受けられます」


「私が守ってあげるから、安心しなさい。仲間なんだから」


(張り切ってるな...)


「ありがとう、セレスティア」


「ふ、ふん...当然よ」


【信仰度:0 → 1】


おっ、1上がった。



その夜。安い宿の一室。


「明日は薬草採取のクエストを受けましょう。それと...明後日、この町で腕相撲大会があるの」


「腕相撲?」


「賞金100万z。竜人族のリリアーナっていう女の子が主催で——」


「...引きこもりなのに詳しいですね」


「う、うるさいわね!ギルドの掲示板に書いてあったのよ!」


リリアーナ。


その名前を聞いて、私の記憶がフラッシュバックした。


過去99回、誰も勝てなかった竜人族の少女——


「知ってるの?」


「...いえ、初めて聞きました」


嘘をついた。


「興味あるなら、見に行ってもいいわよ」


「...はい、行きましょう」


100万zは魅力的だ。

(続く)

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