表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

第4話

■ 2022年 6月6日(月)

今日、みしろさんになつさんの件を話した。

意外にもみしろさんはそういうの(オカルト関係?)に造詣が深いようで、「タルパ」というものを教えてもらった。

イマジナリーフレンドのような、自分にしか見えない人工精霊のことらしい。


ただし普通は姿がはっきり見えたり、会話ができるような存在らしい。

なつさんの姿が見えなかったり話すことができないのは、ちゃんとした方法で呼んでいないからだろうか。


いずれにせよ、そういった存在を見たり会話できる、というのは意外だった。


私もなつさんと話せるようになるのだろうか。



■ 2022年 6月9日(木)

なつさんと話したい気持ちが抑えきれず、呪法をもう一つ試した。

少し怖い方法なので最初はためらわれていたが、背に腹は代えられなかった。


ただ、今のところなつさんに変化は見られない。

効果が出るといいのだけど。


この日記を書いているときに気づいたのだが、

なつさん以外の存在もはっきり見えてしまうのではないか。

少し軽率だったかもしれない……



■ 2022年 6月10日(金)

家に帰ったらなつさんの姿が以前よりハッキリ見えるようになった……気がする。

なんとなく、以前より気配は感じ取れていると思う。


たとえば今なつさんは部屋の隅で体育座りをしているように見える。首はあげており、何となく目が合っているように思う。もちろん実際に見えているわけではないが、そんな気がするのだ。


それと声をかけると反応するような仕草を見られたのは収穫だ。

といっても細かい動きが分かるわけではないので、コミュニケーションはできそうにないが……。


明日はみしろさんと出かける予定もある。毎日が充実しているように感じる。



■ 2022年 6月11日(土)

みしろさんと出かけた。

彼女の要望で有名な心霊スポットに行ったが、有名なだけあって他にも人が沢山がおり正直なところ興ざめだった。


みしろさんはそれなりに怖がってくれていたようで、そこはよかったと思う。

白いワンピースがきれいだった。明日も一緒に出掛ける予定なので、次こそ気の利いたことを言おうと思う。



■ 2022年 6月12日(日)

みしろさんと出かけた。

歴史にも興味があるようで、博物館につき合わされた。


正直、昔の人の歴史など興味はなかったのだが、いざ行ってみると案外面白いものだ。

呪術的な道具にも色々と進化の歴史があり、お札や鏡といったものだけでなく、傘のような日常的なものも使われているようだ。


明日からまた仕事だ。明日も頑張ろう。



■ 2022年 6月13日(月)

ふとパエリアが食べたくなり、いつものご飯にターメリックやサフラン・魚介類を入れてみたら、ご飯が真っ黒になってしまった。

白米意外は得意じゃないのかもしれない。


仕方ないので自分で作ったが、そもそも香辛料の類が苦手なようだ。キッチンに近づこうともしなかったし、食べようと部屋に戻ったら押入れに引っ込んでしまった。



■ 2022年 6月14日(火)

今週末はみしろさんと大分県に出かけようという話になった。

温泉街と、近くにいいホラースポットがあるらしい。

大きな神社もあるらしく、自分もそこには少し興味が出た。


遠出だし、泊りになるかもしれない。

日記は読まれたくないので置いておくことにしよう。



■ 2022年 6月16日(木)

最近、なつさんが出かける頻度が多い気がする。

一日に二回もいなくなることもあった。

彼女は彼女でやることがあるのだろうか。


なつさんがいないと攻撃的な奴がなかなか帰ってくれないので困る。

お気に入りのグラスが机から落とされ、粉々になったのは少し悲しかった。



■ 2022年 6月19日(日)

旅行はとても楽しかった。一泊二日なのが少し物足りなかったぐらいだ。

温泉街はいたるところから温泉の香りがしてとても雰囲気が良かったし、廃遊園地は閑散としていて流石に怖かった。


ただ、道中で少し奇妙なことがあった。

帰る直前に温泉街で食べ歩きをしたとき、易者?のような人に話しかけられた。

死相が出ており、このままでは近いうちに死ぬかもしれない……ということらしい。

幸いその場でお守りをもらえたのだが、後々怖くなってほかのお守りも購入した。


みしろさんがお揃いだねと話してくれたので、少し気は紛れたのだが……心配だ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ