【第95話 オパと黒龍の家族顔合わせ】
友紀は仕事を頑張っていた。最近、龍神ズがいなくても自立して仕事ができるようになっていた。
その日、オパと黒龍は緊張していた。両家顔合わせの日だったのだ。
オパは緑のワンピース、黒龍は正幸から借りた光沢のある青のネクタイを身につけていた。叔父夫婦もベージュのスーツを着ている。黒龍の兄と兄嫁も来ていた。ハクリューは彼方のタキシードを借りた。
「遅くなりました。おはようございます」黒龍の両親が現れた。
龍神たちの緊張は最高潮に達した。
しかし、黒龍の家族はまずオパの家族にお礼を言った。
「黒龍が愛することを知り、そしてオパが黒龍を不良から抜け出させてくれたおかげで、本当に穏やかな龍になりました」黒龍の父が言った。
大龍神から提案があり、仕事休憩中の友紀がテレビ電話で挨拶することになった。
「おめでとうございます。これからオパのことをよろしくお願いします」
友紀は笑顔で挨拶した。しかし、ハクリューは何か引っかかるものを感じた。友紀の言葉が、どこか他人事のように聞こえたのだ。
黒龍の父が口を開いた。「黒龍、引き続き人間界で修行して、色々なことを経験しなさい」
そう言って、契約書を見せた。
黒龍もオパも驚いた。引き続き友紀のもとで働くと書いてあったのだ。
「引き続きよろしくお願いします」友紀は頭を下げた。
画面の向こうで、友紀の表情がほっとしたように見えた。
「オパと黒龍と別れなくて、ほっとした」友紀が小さく呟いた。
無事、両家顔合わせが終わった。オパと黒龍の婚約が正式に整った。
後に友紀は語った。黒龍が将来旅館出雲を継ぐことになったとき、別れが寂しくなるため、わざと他人事のように振る舞い、自分の心を守ろうとしていたのだと。




