【第83話 ライバルの腕前】
友紀も結局、正幸にネックウォーマーを作ることにした。
凛と麻美の指導で、オパはネックウォーマーを編んでいた。最初はなかなかうまく行かなかったが、麻美は根気強くオパに教えた。その成果が出て、少しずつ上手になっていった。
友紀はオパの編み物が上手になっていくのを見て、昔、苔色のマフラーを編んだ時のことを思い出していた。
「凛と麻美にありがとう」友紀が呟くと、麻美は笑って言った。「友紀も完成させなさいよ」
ところがある日、オパは衝撃的なことを知った。
旅館出雲の仲居が黒龍のために編んでいるのは、手袋とマフラーの縄編みで、誰もが上手だと認めるほどの出来栄えだという。
オパはショックを受けた。
オパは解いてしまおうかとも考えた。しかし、凛が言った。「最後まで完成させなさい」
友紀も続けた。「私の苔色のマフラーなんか酷いものよ」
「友紀の気持ちが入っているから温かいんだぜ」正幸が言った。友紀の母にも、「編んでもらったネックウォーマーも下手だったけど、ずっと使ってるよ」と言われた。
ベテランスタッフにも聞いてみたところ、「気持ちが大事」という回答だった。
オパの顔が明るくなった。
友紀はそれを見て思った。ベテランスタッフが長いこと一緒に働いてくれたらいいな——。




