【第77話 大龍神さまに報告】
友紀はその足で大龍神に会いに、くすのきの穴を通り抜けた。
まず旅館出雲でお風呂に入り、白の肌着の上に白のワンピースを着た。旅館出雲は神在月の影響でかなり潤っていた。アカリューたちは仕事ぶりが認められ、そのまま清掃業務に配属になったという。8時から15時の7時間勤務で、土日休みの保育付き。人間界にも問題なく帰還できる条件だった。
使いの者がすでに迎えに来ていたので、友紀は龍神の館へ向かった。
大龍神は鏡の間で待っていた。
「身を清めてきたのか?」
友紀からは石鹸の香りがしていた。
「龍神ズの能力がかなり高くなっているな。人間界で色々なことを経験したからだろう」大龍神が言った。
「スイリュウがイタコのような力を持っていたのはびっくりしました」友紀が答えた。
「スイリュウは普段その力を使わないのだが、死者の力を借りたか」大龍神は少し考えるように続けた。「友紀は素直だが、相手を思いやりすぎることが弱点だね」
友紀は頷いた。それはオパや黒龍に対してもそうだった。
「実は……合唱団このはを退団することにしました」友紀は報告した。
言葉にした瞬間、段々と実感が湧いてきて、涙がこみ上げてきた。
大龍神は何度も頷いた。
出された浄化おにぎりを頬張りながら、友紀は涙を流した。
しかし前回同様、食べ終えると心がすっきりしていた。




